東京電力は14日、地域ごとに停電を行う計画停電に初めて踏み切った。
管内1都8県を市区町村別に5グループに分けたうちの「第5グループ」が対象で、千葉、茨城、静岡、山梨4県の一部地域について、電力需要が高くなる午後5時過ぎから最大約1時間半にわたり電力供給を停止した。
東電によると、同日午後6~7時の電力供給力は3300万キロ・ワットに対し、電力需要は帰宅時間帯で電車の運行が増えたり、照明の点灯などで3400万キロ・ワットまで高まり、需要が供給を上回る見通しとなったためとしている。
停電後の需要実績は、2800万キロ・ワットまで低下した。一方、計画停電を予定していた午前6時20分~午後5時については、需要が供給能力を下回ったとして実施しなかった。
同日は計画停電を想定し、鉄道各社が始発から大幅に運行本数を削減、通勤や通学に影響が出た。商業施設の休業も相次ぐなど、実際に停電が起きなかった首都圏にも大きな混乱が出た。
東電は当初、午前6時20分から順次実施する予定だったが、計画停電に備えて、鉄道の運行本数削減や工場の休業などで電力需要が想定を下回り、第4グループまでは実施を見送った。
東電は15日~18日についても、計画停電を実施すると発表し、15日については午前6時20分に第3グループから計画停電を実施する方針だ。今後も供給能力が電力需要を当面下回る見通しで、4月末まで続ける方針を打ち出している。
電力需要が供給力を上回った状態で供給を続けると、周波数が低下して最終的には管内全域が停電する恐れがあり、計画停電はこうした事態を回避する狙いがあるという。
