枝野官房長官は14日夜の記者会見で、燃料棒が一時露出したとされた東京電力福島第1原子力発電所2号機について、午後8時過ぎから海水の注入が再開されたことを明らかにした。
官房長官は、14日午前に水素爆発を起こした3号機についても午後8時過ぎに注水が再開され、1号機も注水が始まったと述べた。2号機は、注水ポンプの燃料不足によって、一時水位が低下したとした。
原子炉の熱を除去するポンプが停止し、炉内に水を供給できなくなったと発表し、同日午前7時30分には核燃料棒(約4メートル)の上部2・95メートルが露出するほど、炉内の水位が低下した。
東電は同日、原子力災害対策特別措置法に基づき、国に通報した。12日午後に水素爆発が起きて原子炉建屋が吹き飛んだ同原発1号機のように、炉内の核燃料の一部が溶け出す「炉心溶融」の恐れもあるという。
東電によると、3号機の原子炉格納容器内の圧力が通常の2倍まで異常に上昇した。容器内の圧力を下げるために、東電は1号機同様に放射能を帯びた水蒸気の大気への放出と、消防用ポンプによる水の注入も始めた。
3号機では昨年9月から、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを混ぜた核燃料(MOX燃料)を炉内に入れて発電する「プルサーマル」を実施していた。
原子炉の圧力容器や格納容器の破損は起きていないという。
また、1号機では、爆発事故が起きた12日の夜から圧力容器に注入し始めた海水の量が13日未明までに想定した必要量に到達した。
原子炉の水位計は低い値を示したままだが、漏えいなどが起きている可能性は低いとしている。東電は引き続き海水を供給すると共に、代替ポンプの設置を検討し始めた。
