被災地でガソリンや灯油が不足している。津波の影響で海上搬送が難しいため、タンクローリーでの陸路搬送を始めているが一度に運べる量も少なく、通行止めなどで時間がかかっている模様。


 JX日鉱日石エネルギーは、業界で東北唯一の製油所「仙台製油所」(仙台市)など3製油所が操業停止。東北、関東の全都県で備蓄ガソリンなどを保管する油槽所からの出荷も止まっている。


 昭和シェル石油の京浜製油所(川崎市)も、12日から陸路での出荷を再開したが、「停電で給油ができないガソリンスタンドも多く、被災地から『どこなら給油できるか』との問い合わせが殺到している」という。


 仙台市のガソリンスタンド(GS)では13日、一般車両の給油ができなくなってしまった。「警察や消防、救急の緊急車両以外、売ることはできない」と、制服姿のGS店員が説明する。


 同市青葉区の会社員男性(44)は「車で寝泊まりせざるを得ない人もいる。仙台市は地震対策で何を準備していたのか。5リットルでもいいから、入れさせないとはどういうことか」と憤る。


「テレビでは首相が店を開けるようにと言っているのに、なぜ?


 市から市民へのアナウンスがほしい」

 停電時もバッテリーを使って給油が可能な「震災時給油可能SS」では、エレベーター会社の社員がGS店員に詰め寄ったが、断られた。


別の店でも住宅会社社員が手製の「緊急用車両」の札を見せたが断られたという。