「嫌い」
その一言が僕の心を抉った。
わかっていたことなのに、な。
ずっと、感じていたことなのに。
君が発した言葉に、心が悲鳴をあげた。
「なんてね、冗談だよ」
そして君は笑う。
傷付いた僕を嘲笑うかのように。
泣きたくなるくらいに綺麗な笑顔で。
「傷付いた?」
うん、とっても。
けれど、涙は流れない。
言葉を発したのが君だったからかもしれないね。
「好き、より嫌いの方がお似合いね」
そうかもしれないね。
なんせ、君が嫌う僕だから。
「好き」より「嫌い」の方があっている。
「反論しないの?」
しないよ。
出来ないんじゃなくて、しないのさ。
悔しそうな顔をしている君が、そこに居た。
「何か、悔しいわ」
そうかい?
それならば僕は愉快だと言おう。
「悔しい」と繰り返す君に、僕は微笑む。
あぁ、もう時間だ。僕は行くよ。
君との思い出を携えて。
泣きそうな、半笑いの君に。
「ばいばい」と笑顔を僕は君に向けて。
「さようなら」
小さく呟いた言葉は風にとけていった。
前作同様、無断転載は禁止です。
その一言が僕の心を抉った。
わかっていたことなのに、な。
ずっと、感じていたことなのに。
君が発した言葉に、心が悲鳴をあげた。
「なんてね、冗談だよ」
そして君は笑う。
傷付いた僕を嘲笑うかのように。
泣きたくなるくらいに綺麗な笑顔で。
「傷付いた?」
うん、とっても。
けれど、涙は流れない。
言葉を発したのが君だったからかもしれないね。
「好き、より嫌いの方がお似合いね」
そうかもしれないね。
なんせ、君が嫌う僕だから。
「好き」より「嫌い」の方があっている。
「反論しないの?」
しないよ。
出来ないんじゃなくて、しないのさ。
悔しそうな顔をしている君が、そこに居た。
「何か、悔しいわ」
そうかい?
それならば僕は愉快だと言おう。
「悔しい」と繰り返す君に、僕は微笑む。
あぁ、もう時間だ。僕は行くよ。
君との思い出を携えて。
泣きそうな、半笑いの君に。
「ばいばい」と笑顔を僕は君に向けて。
「さようなら」
小さく呟いた言葉は風にとけていった。
前作同様、無断転載は禁止です。