チーフトレーナー前波です。

 

今日もMGCのお話。

当日の気候は、週間予報では、曇りのち雨に変わり、気温は25℃くらいになるでしょうか。

トップアスリートにとっても暑さ対策は欠かせません。

 

では、各選手はどのような取り組みをしているか。

マラソンを楽しまれている一般のランナーさんは、こんなことに注目しながら、レースを見るのも楽しさの1つでしょう。

 

◆給水ポイントで何をどのくらい補給するか?◆

単に「スポーツドリンク」や「水」を補給するばかりではありません。

各選手、『オリジナルの補給食(スペシャルドリンク)』を用意しています。

補給食といっても「噛んで食べるもの」ではありません。体内に取り込むことで、エネルギーに転換させる「飲む食事=スペシャルドリンク」です。


運動生理学(体液循環)の面から考えると、水分が体内から2%減少すると運動パフォーマンスを低下させるといいます。

いわゆる「のどが渇いた」と感じた段階がこれです。

『のどが渇く前に補給する!』は競技力に関わらずみな同じことです。

何を摂取するのかというと、喪失しているのは水ではないので、糖質(グリコーゲン)と電解質(ナトリウムなど)の補給をします。

 

糖質(グリコーゲン)は、エネルギーに転換します。

電解質にはいくつかあり、ナトリウムは、細胞浸透圧の調整に。マグネシウムは筋肉の収縮を。カリウムは神経伝達を。カルシウムは血液循環に。クロールは消化活動を助けます。

専門家の指導を受けている実業団チームなら、何をどのタイミングでどのくらいの量を摂取するかを計画立てているでしょう。

そうなると、各選手のスペシャルドリンクの中身が気になりますよね。

 

先ほど、摂取するのは水ではなく、糖質と電解質だと書きましたが、水も給水する必要があります。

高温下でのレースになりますので、体内の深部温度は上がり、この上昇はパフォーマンスに大きく影響します。

深部体温が高くなりすぎないようにする対策として有効なのが「水の補給」です。

一口飲んで、残りを首にかけるシーンを見ますよね。

ブイスタジオにお越しのランナーさんには、『手のひら冷却』をお勧めしています。

自律神経のコントロールに有効な『手のひら冷却』で集中力を維持する狙いです。

 

どんなものをどんなタイミングで摂取するのか?

 

レースペースや駆け引きだけでなく、補給の作戦も見どころの1つではないかと思います。

2.5kmごとに給水ポイントがあるようなので、コースに行かれる方は、15km付近と30km付近の給水に注目してはいかがでしょうか。

後半に氷袋も用意あるようなので、氷袋をどう使うかも注目です。

 

コンディショニングトレーナー

前波卓也