チーフトレーナー前波です。
競技を頑張る子供たちにフィジカルトレーニング指導をしていると、お子さまの靴選びで悩まれる保護者が多いことに気がつきます。
『(うちの子には)どんな靴がいいですか?』
『(特定のブランドの)〇〇っていう靴はいいの?』
『その靴、サイズ合ってないよね??』
などなど。
トレーナーであり、子を育てる父である私が、個人的意見も含めて書きたいと思います。
題して、
【前波トレーナー流の運動靴の選び方】
まず、いつの年齢にどんな目的で履く靴なのかが最大のポイントです。
忘れてはいけないのは、子供は成長するということ。
例えば1歳まではハイハイをし、1歳過ぎるとつかまり立ちを経て一人歩きができるようになる。4歳くらいになると片足でバランス立ちができるようになるなど、身体技術も段階的に連続し、順序性を持って獲得します。
それらを踏まえ、成長段階に合わせた靴選びはとても重要なんです。
ここからは私の見解です。
3歳くらいまでは、骨格が未発達な段階なので、足首をサポートできるミッドカットの靴がいいと思います。
4~5歳で、だんだん活発に運動ができるようになってきたら、走ったり跳ねたりしやすいように、ソール部が柔軟で裸足感覚に近い靴を勧めます。屈曲しやすい靴を履くことで、走ったり跳ねる動作の感覚をつかみやすくします。
7歳くらいになると筋力もつきはじめてきますね。この頃からは、力をしっかり伝えられるようにソール部がセパレートの靴もお勧めしています。
ポイントを絞るなら、
■かかと部がっかりしている靴を
私の周りには、かかと部の安定しない靴を履いたり、靴のかかとを踏んで履く生徒は1人もいません。
かかとのしっかりした靴を履くことで、
①足趾に過度の負担をかけない
②歩行の安定
③骨格への負担軽減
となり、成長にはとても重要です。
かかとの不安定な靴や、靴のかかとを踏んで履くことはマイナスなのです。
■つま先は5~10mm程度の余裕を
地面をとらえるためには、足趾を自由に動かせる余裕が必要です。
立った時に5~10mm程度、余裕がある靴を勧めています。
10mm以上空いている靴は、靴の中で足が動いてしまい、十分に力が発揮できません。
もしかすると、靴の買い替えが想像以上に早いかもしれませんね(笑
■足の甲の安定
マジックテープや靴ひもを締めた状態で、足の甲はしっかりホールディングされているか。
私は、子供を立たせて、足の甲を手で押さえます。手を離しても、包まれたような安定感があればOKとします。
■アウトソールの硬さ
裸足でつま先立ちをしたときに、足の曲がる位置と同じ部位で靴も曲がるかどうか。
靴を履いてつま先立ちがしずらい靴は、運動するときは望ましくないと考えます。
■試し履きは両足履く
これは絶対です。
大人にも言えますが、左右で足の大きさはわずかに異なります。
試し履きは、必ず両足履き、許される範囲で店内を歩いて感覚を確かめます。
(店員さんが許可してくれるなら)軽くジャンプをしたり、ケンケンをして運動感覚を確かめます。
お子様の動きにぎこちなさがあれば、違う靴も履いてみることを勧めます。
あとは、シューズメーカーが一般邸に推奨する靴選びのポイントと同じです。
12cmの足だから12cmの靴なら何でもいいという考えは、私にはありません。
競技をする子なら、運動技術の獲得段階はどのあたりにあるのかも考えます。
例えば、私が指導するフィギュアスケートの子供たちの場合、
フロアでのステップ動作を軽快にできるようになったら、アウトソールが薄く、軽くて動きやすいランニングシューズや、横への移動(ステップ動作など)が増えてきたら、(前述したソールの柔らかい靴ではなく)グリップ力のある靴を勧めます。
成長と発達を考えて靴を選ぶことで運動能力は伸びると考えています。
サッカースパイクやバスケットシューズなど、各競技で履く靴も様々なポイントがありますね。
「かっこいい○○選手モデル」や「かわいい〇〇デザインモデル」も良いですが、本当に大切なことは子供の成長に適した道具を選ぶ事です。
ケガ予防の観点からも、運動能力を高める観点からも靴選びは重要なのです。
これは私が経験した話ですが、幼少期、足に合わない靴を履いていた子は、
①転倒しやすい
②足首が硬い
③股関節の引きつけ感覚が鈍い
④足趾を縮める癖がある
などの印象です。
これら申し上げたポイントは、あくまで運動する際に履く靴の話。
お出かけ用のオシャレ靴は、デザイン重視でカッコいい・かわいい靴がいいですね。
ブイスタジオでは、成長と目的に合わせた靴選びをおススメしています。
コンディショニングトレーナー
前波卓也