世の中の”母と娘”とはどんな関係が一般的なんだろうか。

 

正解はいまだ不明だが、少なくても私と母は仲良しではない。

だからと言って険悪なわけでもない。

 

例えるならば逃げまくる豚と真珠をつけようと追い掛け回す農夫みたいなものか。

うまい例えが見つからないが、母は娘をこの世で一番かわいいと妄信している人だった。

 

娘としてはそんなことがないのは疾うに気付いていたのだが、自分が腹を痛めて生まれたものが豚だとは思いたくなかったのか、真珠で飾ろうといつも必死であった。

そう必死だったのだ。それは経済的な問題も相まって、より一層悲壮感が増していた。

 

考えてみてほしい。

貧困に喘いでいる人間が真珠を豚につけるため追いかけてくるのだ。そりゃ逃げる。

 

全世界のお母さんを敵に回してしまいそうだが、少なくても幼少期の私は親の愛を重いと感じ育った。

それは思春期に起きた再婚で更にグレードアップし、以降母親から逃亡する人生に繋がっている。

 

正確には逃げてはいない。現に私は母親がガンに侵された際にも見捨てることができず介護をしている。

そして認知症になった今、また凝りもせずに対処している。

 

母は毒親でもなんでもなく、娘を信じて疑わないストーカー並みの愛情を持った人間なのだ。

結果的に娘は逃亡癖ができ、周囲の人間に自身の胸の内を晒すことがなくなった。(危険なので)

 

いやいや、本当は親のせいでない。

自分の問題であることは百も承知の上で、克服するにはここに向き合わなければと思っている次第だ。

 

 

そんなわけで、母が認知症になって、自分と向き合う羽目になった女の話、始まり始まり。