看取ると言うこと


あなたが具合悪くなって、娘さんと息子さんと

交代交代でお家で看病した。いつまでこの状態が

続くか分からないまま、自宅での闘病生活が

始まった。 


 あなたはステージ4で余後2ヶ月と宣言された

瞬間に至極落ち着いて、

「長くてどれくらいですか?」と聞いて先生から

「それ以上は分からない…(難しいという意)」と

言われても取り乱すことも無く受け止めてたよね。


でもあなたの子供たちが帰って、私と二人きりに

なってから初めて「泣いてもいいかな?」と

言って1時間位泣いていた。私は抱きしめてあげる

ことしかできず、一緒に思い切り泣いた。


私はその後のあなたの覚悟の気持ちと運命を

受け止めた時の美しい姿が忘れられない。

どうしたらあんなに強くなれるのかと思った。

積極治療はせず緩和ケアだけを選択した

あなたは本当に凄い人だと思った。


その後のホスピスに入るまでの1ヶ月の間、

本当に辛かったと思う。口癖の様に

「早く楽になりたい…」と言っていた言葉が

まだ耳から離れない。看病も壮絶だった。

だから亡くなったと聞いた時には悲しい気持ちと

同時にほっとしたことも事実。


せめてもの救いは痩せこけて見る影もない

ような状態ではなかったこと。あなたの

亡くなった時の顔はとても美しかったよ。


今は天国で美味しい物をいっぱい

食べてるのかな?


容態が悪くなって2週間は殆ど何も食べられ

なかったからね。


向こうでお父さんとお母さんと仲良く

美味しい物を食べてね。

僕もいずれそっちに行くので

その時はよろしくね(笑)