一昨日の晩、彼が茹でてくれた「そうめん」を一緒に食べながら、取り留めのない話をした。

その後、私は自分の部屋に上がったけど、少したってから洗濯物を干すためにリビングに下りた。

彼はキッチンに立って、何か作っている。時間はすでに11時を回ってたように思う。

そして、ビールを飲みながら、食べる。



やっぱりこの人は変わらないだろう。このまま太り続けてしまう。

これを矯正してくれる人は現れるんだろうか...



過去の話を切り出したとき、お酒についても話した。

気持ちを切り替えて飲まなくなるんじゃないかと思ってたけど、全く効果はなかったようだ。



私は自立のための生活費を捻出するため、すでにバイトをしていて、フルタイムの仕事が終わってから、夜もバイトに出かけることが多くなった。

昨日、仕事が終わって家に帰ると彼はすでに帰っていて、玄関前で猫たちと戯れていた。


「今日は飲みに行ってくるから」と言った。

大喧嘩をして以来、彼が飲みに出かけるのは、初めてかもしれない。


「うん。」 たぶん、彼は帰ってこないと思った。


今年になって、飲みに出かけて帰って来なかった日は2回あった。1回目は実家に泊まったかもしれないが、2回目はわからない。会社の同僚の家だと言ってたけど、さほど気にならなかった。

今回も同じだろう。



今朝、6時半過ぎに目が覚めた。やはり、彼は戻っていなかった。


仕方がない。彼もここに戻るのは本当に辛いだろう。


私にとって、この6年間は、心の整理と自立の準備のために必要な時間だった。

あんなにボロボロだった私を養ってくれ、時間をくれた彼に感謝しなければならない。




このブログもそろそろ終焉を迎えるかもしれません。



今月初めに大きな喧嘩をして以来、私は晩御飯を食べなくなった。

あれから、一度だけ彼に晩御飯を用意したことがあったけど、彼は手を付けず、そのままテーブルに置いたままだった。あれからは何も作ることはなかったし、聞いても「いらない」と答えるだけだった。



6年間溜めていたことを話したら、とても気分がスッキリしている。

私はすぐに2階の自分の部屋でブログを書いていた。

書き終わって、アップしたものを確認すると、階段を登ってくる足音が聞こえた。



彼が「そうめん」を茹でて、運んできた。

もう何ヶ月も私の部屋には来ていなかったから、とても驚いた。

「いいのに・・・」私はそのままお皿を持って、リビングに下りた。


一緒に食べることにした。


彼から少し話をし始めた。



彼はこうやって私の心を引きとめようとする。



いつも、同じことの繰り返しだった。


やっと、冷静に話をしていけると思う。



数日前に新しい恋の話を書いたけど、彼にメールを毎日1通だけ送っていた。返事はほとんどなかったし、私も日々のことや来年に向けての目標などを日記のように書いていた。

今日、彼からメールが届いた。

「きちんと旦那さんと向き合っていないでしょう?葵さんのメールは一見前向きだけど、他のことに意識を向けて逃げているように感じる。」

図星だった。しかも、彼には他に気になる人ができたらしい。シングルマザー。

彼は別の人と出会ったんだ。

もともと私はスタートラインには立っていなかったけど、少しショックだった。




さらに、その直後、不動産屋さんから電話が入って、引越を考えている先の現住人が今月末で引っ越すから見に来ないかという連絡があった。


これは「向き合え」という「お告げ」のように感じた。

私はやっと夫と向き合うことを決意した。

いや、夫とではなく、自分とだろう。


仕事が終わってから、まっすぐ家に帰るとすでに彼は帰っていた。

私はすぐに彼に話しかけた。

「ちょっと歩かない?」

「いや、いいよ。」 彼は、そんな風だった。

「話がしたいの。」と言って、私は玄関先で待っていた。

少し経って、彼は先月買った新しいランニングシューズを履いて出てきた。

「少し歩く?」今度は彼から切り出した。

「うん。」と答えて、近くの公園に向って歩いた。



何から話そう...そんなことを考えて、時間は過ぎていった。

私は、彼に話すことを頭の中で何度もシミュレーションしていた。


「ずっと言えなかったことがあるの。このまま向き合わないで終わってしまうのは辛いから。」そんな風に切り出したと思う。

すぐに涙が溢れてきた。6年間、ずっと堪えてきたことだったから。

これを話したら私達は本当に終わってしまうかもしれない。

それでも、仕方がないと思った。

「ずいぶん昔の話なんだけど、○○寺に何回か行ったことあるの覚えてる?」

「うん・・・」 生気を失ったような返事。

「全部で3回行ったんだけど、最初は6年前の11月だった。実はね、その前の日に貴方の携帯を見ちゃって貴方の気持ちが他の人に向いてることを知って、すごくショックを受けたんだ。」

相手の名前もメールの内容も特に言わなかった。そんなこと今さら言われたくないだろうし、もうそれで察しが付くだろう。

彼はただ聞いてるだけ。

「でも、先生は私が高慢だったことを指摘した。私はそれから努力したんだ。年末に実家に帰ったこともあったよね?覚えてるかな?」

このぐらい話しただけで、私の気持ちはグッと楽になった。

「葵は元々隠し事はできない。昔は何でも一方的に話して、貴方はそれを聞いてくれた。でも、あれから、何を話して何を話しちゃダメなのか、もうわからなくなっちゃって。何も話せなくなった。」 そんな風に続けたと思う。

彼は何も答えない。ただ聞いてるだけ。

「貴方が言葉を選んで話してるのも分かってたけど、私もずっと同じだった。自分を支えるので、精一杯だったから。」

「こんなに昔の話持ち出すなんて最低だけど、これを話さなきゃ何も言えないから。」

それからも、彼の返事はほとんどなかったけど、私はずっと話し続けた。

あのメールのことやおかりんのことについては具体的には触れなかったけど、ドラミのことについては触れた。

「ドラミさんっているよね?」

「う、うん。」彼はちょっと驚いた風だった。

「元カノなんだよね?」私は続けた。

「うん。」

「私、彼女と2回会ったことがあるんだ。彼女は私のことを知らないかもしれないけど、とてもキレイな人だった。私が休みの日もボードとか一緒に行ってたみたいだったから、大杉君に聞いたこともあったんだ。今ではそんなことどうでもいいけど、とてもキレイな人だったな。」

「貴方はモテるって分かってたど、前は絶大な信頼をおいてたから、疑ったことなんてなかった。でも、あれから私は何も信じられなくなったんだ。」

思ってることを淡々と話した。何度か涙が溢れたけど。

「貴方は本当にキラキラしていたのに・・・」 涙が止まらなくなった。

彼の輝きを奪ったのは私だろう。


そして、引越の件についても触れた。

「今月末で、今住んでいる人が引っ越すんだ。貴方がどう思っているか本当に分からないけど、離婚するにも、距離を置くにしても、とりあえず家を出た方がいいと思う。」


彼は話したのは少しだけ。

「(自分が出て)今の家に住むのはダメなの?」

「私の給料では無理なんだ。特に冬は大変だから。でも貴方の給料なら何とかなるから。」

そんな話をして、家に戻った。1時間ほどの出来事だったと思う。




6年間苦悩してきたことの結末が、この1時間で決まったかもしれない。

もう、どうなっても後悔はしない。




まだ、引越先の家についての情報が入らず、どうにも動けないままでいる。

修復をするにしても、離婚をするにしても、夫ときちんと向き合って話をしなければいけない。

仕事が休みだった夫は、どこにも出かけていないようで、私が帰るとソファに横になってテレビを見ている。

ビールを飲みながら、上半身裸だったけれど、彼の体は本当に醜くなった。

体重は80キロを超えただろう。

話しかけても、聞こえていないのか、聞こえないフリをしているのか、ほとんど返事はない。



あのメールのこと話そう。


私がこんなに彼と話ができなくなったのは、あの日から。

話していいこと、話してはいけないこと、わからなくなってしまった。



これまでは、気持ちが残っていた。本当に好きだった。


今はもう違うのかもしれない。

私の心はもう離れてしまった。


新しい恋の話なんて、今書くべきではないけれど、つい先日、大きく心が揺れる出来事があった。

毎年この時期に陶芸の大きなイベントがある。お気に入りの作家さんと直接話ができる機会だから、毎年必ず顔を出していた。好きな作家さんは何人かいて、その中にはルックスを含めて好きな人がいる。

4年前からこのイベントに参加していて、一目見たときから、ずっと憧れていた人がいた。私よりも5歳年上で、中性的でとても美しい人。

彼は地元の人ではなく、車にたくさんのコンテナを積んで、フェリーに乗って遠征に来ている。

会場に到着してすぐに彼のブースに寄ったけれど、女性客が多くて、近寄ることができなかった。他の作家さんのところを回ってから、終了間際にもう一度、彼のブースに立ち寄ってみた。相変わらず女性客がたくさんいるけれど、さっきほどではない。

毎年、立ち寄って話をしている私のことを覚えてくれていたようで、他の女性達よりも一歩リードしているような感覚だった。接客を手伝ったり、梱包を手伝ったり。

周りの女性客は、「彼はいくつなの?どこの人なの?」と私に問いかけるほどモテモテだった。


彼は毎年イベントが終了するとゆっくり観光して帰る。

「今年はどこに行くの?」と聞いた。

「去年行った場所がとてもよかったから、今年もまた行く。」と言った。


取り留めのない話をしていたら、彼が「明日、予約したホテルはシングルが取れなくて、ツインだから一緒にどうかな?」と、とても恥ずかしそうに言った。

私も一瞬固まって、とても恥ずかしくなった。


「明日?今日はどこに泊まるの?」

「あ~、考えてなかった。車で寝ようと思ってたから。」そんな風だった。

まぁ、一緒にお泊りするのは、冗談だろうと思ったけど、私はとても嬉しかった。私は翌日仕事だから付き合うことはできないし、さすがに泊まりは問題がある。

「泊まるのはちょっと難しいから、よかったらご飯でも。」今度は私から誘ってみた。

私はその日、イベントが終わったら、映画を観て、温泉に入って帰る予定だったから、私のお一人様プランに付き合ってくれるなら、それはとても嬉しい。

そんな話をして手書きの名刺をもらった。

「いっぱい用意してきたんだけど、なくなっちゃって。」と彼。

彼の名刺は毎年もらうけど、毎年手書きのしか残っていない。

私は彼の名前も電話番号も知っているけれど、彼は私のことを何も知らない。

「それじゃ、後でメールします。」と、私はイベント会場を後にした。

イベント終了後は、搬出作業があるから、とても時間がかかる。私は帰りに寄っていくつもりだった温泉の駐車場に車を停めて彼にメールを送った。

「軽くご飯か、映画館近いから映画でも。」

何度かメールをやり取りして、2時間後、やっと彼が到着した。

古くて、お洒落な車。

7時過ぎていたので、ご飯を食べに行くことにした。

彼の車に乗って、すぐに彼を質問攻めにした。

「結婚してないの?」

「してないよ。」

「彼女はいないの?」

「いないよ。」

こんなにかっこいいのに彼女がいないなんて、ゲイなのか?と思ったので、さらに質問。

「えっ、どうして?こんなにキレイなのに。女の人は好きなの?」

「うん、好きだよ。制作に夢中になるし、アトリエのことで手一杯だし」

そして、私のことを話し始めた。

「私は結婚してるんだ。もうすぐ9年になるよ。でも、ちょっとうまくいってなくて、もうすぐ別居しそうなんだ。」

ほとんど初対面に近いのに、自分の話をたくさんして、たくさん話を聞いてもらった。

彼のオーラは、とにかく柔らかくて、透き通っている。

疲れてるのにひどい話をしてしまったな...と後悔をした。

それでも、私に付き合って映画を見に行ってくれ、温泉まで付き合ってくれた。

映画館では私から手をつないだ。

握り返してくれることがとても嬉しかった。




私はとても寂しかったのだと思う。




自分の身の上話を散々したけれど、優しくハグをしてくれて、私にたくさんのアドバイスをしてくれた。

「恋」というか「憧れ」。

また来年まで会えないのか...と思うと、彼についていきたくなった。


何百キロも離れているし、あれだけの人なら、各地に彼女がいてもおかしくない。



私は美しくてセンスのいい人が好きなんだと改めて思った。


その後、何度かメールのやり取りをしたけど、彼からのメールは素っ気ない。


彼はfacebookをやっていて友達も多い。私も申請しようかと思ったけど、まだ迷っている。


今日、彼がシェアした内容を見てドキッとした。

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人生、出会うべき人には必ず出会う。しかも、一瞬遅からず、早からず。
しかし、内に求める心なくば、眼前にその人ありといえども縁は生じず。
(森信三)
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私は4年前に彼と出会ってから、毎年彼を探していた。

そして、今年は彼とグンと近づいた。



今、彼はフェリーの上。


私は今年、このイベントに出るつもりだったけど、申込みが遅くてキャンセル待ちだった。

「来年は出よう」という目標ができた。

1年間でどこまでやれるかわからないけど、いい目標ができたと思う。





ブログを書き始めた6年前は、ボロボロで壊れてしまいそうだった。

お伺いで言われたことは、あまり当たらなかった。

1度目は、「メールのことは彼に話してはいけない、心にしまっておきなさい。きっとうまくいく。」

3度目は「子供が授かる」と言われたけれど、結局、どちらも当たってはいなかった。

だけど、あの時、怒りに任せて彼に詰め寄らなかったのがよかったと思えることが沢山ある。


6年前の大晦日に大喧嘩をしたときから私は煙草をやめることができた。

その後、走ることを覚えた。夜、大泣きしながら走ったこともあった。

でも、汗をかくとスッキリして悩んでいたことが嘘のように感じた。そして、基礎体力が付いてきた。

その後、登山をするようになった。

山に登ると、自分が悩んでいたことがとてもちっぽけなことだと感じるようになったし、必要なものはほんの少ししかないということが分かって、必要のないものを捨てる勇気が持てた。


ほんの少しだけれど、陶芸の腕も上がってきた。

冬は一人でもゲレンデに向かい、思いっきり滑れるようになった。

そして、再就職をした3年前からは貯金ができるようになった。毎日コツコツ貯める習慣が身に付いて、無駄な買い物をしなくなった。


昔、彼に言われたことがあった。

「葵は一人で何でもできる」

あの頃はそうじゃなかった。

でも、今は本当にそうかもしれない。

寂しさを埋めるために始めたことやグッと我慢してきたことが結果的には私自身の為になっている。

今では医者も驚くほどの健康体で体力もある。


私は本当に強くなった。


数日前の大喧嘩以来、私は晩御飯を食べなくなった。

もう2週間近くになる。

ここ数年で、増えた体重が徐々に落ち始め、ぽっこりお腹も凹んできた。



彼はずっと煙草とお酒をやめずに、異様に太ってきた。あの美しかった顔は、丸々と変わり、大きく澄んだ瞳は濁ってしまった。

私は彼が太るのがとても嫌だった。だけど、それを口に出すことができなかった。



ストレスの発散方法は人によって大きく違う。

私は自然の力を借り、彼は酒の力を借りた。




2度目のお伺いの時、「人生は修行だから」と言われたけど、この6年間は、私にとって本当に修行だったと思えるようになってきた。




ご無沙汰しています。葵です。

何ヶ月も放置して、ほんのちょっとだけ再開といったことを繰り返していますが、少しだけ進展しました。


このブログを始めたのは結婚して4年になろうとしていた頃でしたが、あれからさらに4年が過ぎ、もう8年を過ぎてしまいました。


以前、「男女の仲は4年」と書いたことがありました。


私達は4年で大きな壁にぶつかります。


つい、数日前に完全にぶつかりました。


こんなに時間が経ってしまったけど、彼との間は修復不能と判断し、やっと別居する決意をしました。


40歳を過ぎても子供は持てるという人もたくさんいるし、実際、授かった人もたくさんいると思いますが、40歳を一つのボーダーラインと考える人は少なくないでしょう。


私は彼との子供を望んでいましたが、彼は全く協力してくれず、会話もどんどん少なくなってきていました。


「協力してくれたけど授からなかった」のならば、諦めることもできるかもしれません。


しかし「協力すらしてくれない」のは、本当に辛いのです。


私にも原因があります。


彼を説得することができなかったし、分かってくれていると思っていました。


でも、そうではありませんでした。



夫の浮気で悩んでいた時期もありましたが、もう時間が全然ないのです。



いつからか、カウントダウンをするようになりました。


40歳まであと何ヶ月...



2年前は、こんな気持ちになると思ってもみませんでした。



でも、もう時間がないのです。



私達は同じ未来を見ていないのです。






母のようなお母さんになりたかった...これを考えると涙が溢れてきますが、彼との関係についてはもう吹っ切れたように思います。


とてもいい不動産屋さんを紹介してもらい、ペットを飼ってもいい部屋が近々空くという話をしてくれました。


もう後戻りはしません。


これからは一生一人かもしれません。それでも彼を恨みながら一緒に居るよりは、自分らしく生きていけるような気がします。





あと半年の命ならば、離婚して好きなことをしたいと思うけれど、彼のことが嫌いになったわけではない。


むしろ、好きだと思う。


いつも片思いのようだった。



彼もそんな風に感じているのかもしれないし、一刻も早く解放されたいと感じているかもしれない。


彼は私以上に思っていることを口に出さない。


私達はずっとこんな風だった。


夫婦なのに、とても遠い存在のよう。



今日はネットで頼んでおいたボードが届いた。


とても嬉しいと喜んでいるけれど、どこか寂しそうだった。



離婚のことを具体的に考えるようになった。


家のローンのこと、親のこと、猫のこと、共通の友達のこと、仕事のこと...


彼が寂しい素振りを見せたことは、過去に何度かあったと思う。


私は仕事に夢中になり、彼のことを見ていなかった。




私達が本当に楽しいと思えた時期はとても短かったと思う。


付き合ってすぐに妊娠、そして、中絶。



私達はあの日から、ずっとうまくいってないんだろう。



あの日、私を傷つけたことを後悔して、それをずっと背負っていく気で結婚したのかもしれない。





好きだけど、どうしようもないこともある。


少しだけ涙は出るけれど、もうだいぶ尽きてきた。


冷静に話ができるかもしれない。



appleのCEOであったスティーブ・ジョブズが亡くなってから、私はひどくショックを受けて、今でも引きずっている。彼の遺した言葉を思い出すと、自分はこのままでいいのかと考えることが多くなった。


もし、自分があと半年の命だと知ったら、何をして、誰と過ごしたいと思うだろう。


そう考えた時、彼と一緒に過ごしたいとは思わなかった。


真っ先に考えた答えは「離婚したい」だった。


それが私の本当の気持ちなんだろう。


でも、それを実行出来ないでいる自分が情けない。


あと半年の命じゃなかったときのことを考えるから。



昨日は、彼の誕生日だった。


彼の欲しいといったゴーグルを買い、リボンを掛けておいた。



「誕生日だから焼肉でも食べに行こうか?」


とメールをしたけれど、返ってきた返事は


「お通夜なので、普通でいいです...」 だった。



そろそろ帰ってくるであろう時間を見計らって、晩御飯を用意して、待っていたけれど、いつもよりも遅かった。


9時半過ぎ...お腹が空いてきたので、先に食べることにした。


ちょうど私が食べ終わった頃、彼が帰ってきた。仕事が忙しそうな話をしていたけれど、もしかしたら違うのかもしれないな~と直感的に感じた。


真っ先にプレゼントを開けて、とても嬉しそうだったけれど、実際にかけてみるとイマイチ似合っていなかった。




11時頃、彼がトイレに入ったとき、普段は滅多に鳴らない携帯にメールが届いたことを知らせる着信音が鳴った。




誰かから誕生日を祝うメールが来たんだろう。


「メール来てたみたいだよ。」 トイレから戻ってきた彼にそう告げた。


彼は何も言わず、携帯を見ようとはしなかった。





彼の携帯はもう何年も見ていないけれど、今年になってからスマートフォンに変えていて、YOUTUBEでお気に入りのアーティストの動画を見ることが多くなった。


少ししてから、携帯をいじり始めた。


動画を探すフリをして、メールを読んでいたのだと思う。




それでも、彼は毎日帰ってくる。


私に話す言葉を選んで、生活している。




なぜ、そこまで我慢するんだろう。




偶然見てしまった携帯メールがきっかけで、夫の怪しい行動を調査・観察していたけれど、今ではそんなこともすっかりなくなった。


あの頃は、精神的にどうにかなっていたと思う。


それでも時々何かのきっかけであのときの光景がフラッシュバックすることがある。




このブログを放置していた間に、色んなことがあった。


ふぅ~、どこから書こうか...



1年ほど前の話。


地元のイベントに呼ばれて、女友達3人で行ったときのこと。


イベント会場のスタッフの中に一際目立つ女性がいて、一瞬でその人が誰かわかった。


彼の元カノの「ドラミ」だった。



前に見た写真よりもキレイになっているようで、スタイルもよく、ロングヘアーだった。


たしか、地元にはいないはずだけど...帰ってきたんだろうか。



ちょうどその時、私もロングヘアーだった。


元気良くイベントを盛り上げようとしている彼女を見て、完全に負けている感じがした。


彼女は私のことを知っているのかはわからないけど、何度か目が合った。







そして、ほんの数日前。


私が出入りしているアパレルショップのファッションショーがあったので、女友達と見に行くことにした。


私は確信していた。今日も「ドラミ」がいるだろう。


ショーの最中には見かけなかったけど、ショーが終わってから、引き上げてきたスタッフの集団の中にいた。


やっぱり。


しかも、今年はショートヘアーだった。



私も今年に入ってからバッサリ髪を切って、耳が隠れるか隠れないかぐらいのショートヘアーにした。


顔やスタイルはともかくとして、私達はよく似ていると感じた。



その後の打ち上げに呼ばれたので、参加することにした。


打ち上げの席で、スタッフとして紹介されていたけれど、地元に戻ったわけではなくて、イベントがあるときだけお手伝いに来ているようだ。



陶芸をやってて、ボードをして、ショートヘアーで、同じお店の常連で、頼んだ飲み物まで同じ...自分の鏡かと思うほどだった。


違う形で出会っていたら、いい友達になれたかもしれない。




ドラミは酔っていたのか、他の男性スタッフの体を触りまくっていた。


キレイな顔で、ニコニコ笑顔で、ボディータッチ。


ああされて、男は悪い気はしないだろうな~。


でも、同性受けはしないかもしれない。