T「とりあえず、羽子板でもやっとく?」
N「あーぽいぽい!正月っぽい」
K「それ結構無理あらへん?」
S「・・・今、6 月ですよね」
A「誰かさんがさぼっとったんやろ」
T「彰、決めつけはあかんで」
N「せや、正月に俺がもち喉詰まらせて死にかけたとか、雪と同化を試みたとか、ミニブタ飼いたなったのとかおいしい話をまさか書かへんわけ・・・」
K「あったなぁ・・・」
S「ありましたね」
A「信人君のことは別に知りたないけど」
T「否めへん」
N「え、なんで俺が悪みたいになってきてん?!なあ、華なんか言うてや」
『えーと、、信人の正月はさておき・・・』
N「おかへんおかへん!さてもはてもおかへんで!」
『今日は正月にみんなでお参りに来れなかったので、来てみましたー!』
N「話きけー!」
K「俺なにお願いしよー」
T「なんか腹すかん?」
みんな思い思いに欲求を口にしてるけど、今日大丈夫かな
普段制服姿見慣れてるから、この5人の私服姿はやっぱり眩しすぎる
おしゃれ番長のかっちゃんは相変わらず半ズボンを着こなしてるし
琢也はジャケットを着てかっこよさ倍増だし
彰は黒のパーカーのポケットに手を入れてかっこよさに可愛さプラスだし
真太郎はシャツの襟元から見える鎖骨が鼻血もん
信人も・・無駄に締まった腕をさらけ出して・・
これは反則だ、言わないけど
A「俺おみくじ引きたい」
『あ、それいいですね』
S「じゃあ、おみくじ引き行きますか」
かまってもらえずいじける信人を横目に見ながら真太郎の隣を歩く
『真太郎、ここもう一つ締めたほうがいいよ』
さっきから見え隠れする鎖骨が私を魅了してしまう前に伝えておこう
うん
S「先輩、お母さん見たいっすね」
『え?』
そういうと不敵な笑みを浮かべる真太郎
S「じゃあお母さんついでに、先輩がここのボタン締めてください」
この男は何を言っているんだろう
ふっくらとした唇が意地悪に笑っているのがまた一段といやらしい
『ねえ、彰、真太郎がフェロモンの押し売りする』
A「ん?」
真太郎の隣にいた彰に助けを求め、避難する
状況がよく分からないようで顔を乗り出し、彰のつぶらな瞳が私をじっと見つめる
『彰はその目をどーにかしなさい!』
A「え?目え?」
いきなり怒られ驚く彰
隣で見ていた真太郎がふっと鼻で笑ったのが聞こえた
S「先輩には刺激が強すぎましたね」
ボタンを1つ締める真太郎
なんかばかにされてるみたいで腹が立つのは気のせいでしょうか
いや、気のせいじゃ・・
N「あーっ!」
最後まで言わせてよ
N「華!ほら見てみて!恋おみくじがあんで」
一人駆け出して行った信人が指さす先には、普通のおみくじと並んで、赤い文字で恋おみくじと書かれた箱が
N「俺これにする!」
T「信人意外とロマンチストやもんな」
N「それとこれは関係ないやろ」
珍しく信人が琢也に突っ込んでいるのを見たな
やっぱり5人みんな仲いいけど、この二人は特別なんだなって思う
『んー、私もそろそろ彼氏ほしいし、これ引いてみようかな』
K「せやったら、俺もこれにしよ」
『え?』
かっちゃんを見るとくしゃっと優しい笑顔
天使のような微笑みにこっちまで笑顔になってしまう
T「かっちゃんずるいで」
K「え?なんもしてへんやん」
T「華の独り占め禁止やで」
『何話してんの?』
TK「なんでもない」
『変なの』
結局みんな信人が見つけた恋おみくじを引くことになったけど
みんなよかったのかな?真太郎とか女の子には困ってなさそうだけど・・・
『あ、中吉だ』
K「結構ええやん、俺小吉・・微妙」
T「やった!大吉~」
S「末吉ってあんま良くないんでしたっけ?」
A「俺も中吉や」
『彰、一緒だね』
あれ、なんかさっきから信人の声が聞こえない
『・・信人はどうだった?』
N「あかん・・俺華にフラれる」
T「凶やったんや」
そういってにやつく琢也は、心底信人をいじるのが好きなんだなって思った
てか、私信人と付き合ってるわけでもないのにフラれるって・・
N「ちゃう・・大凶や」
S「ほんまに大凶ってあるんすね、初めて見ました」
それ全然フォローになってないけど・・・フォローしようとしてないのか
『ほら、大凶でも内容に救いがあるかも』
K「えーと・・・わかりやすく言うとしつこくしないで今は思いを秘めておけってことやな」
T「なんや全然不幸やないやん」
S「でも信人君には一番辛いんとちゃいます?」
N「よくわかってるやん真太郎。」
A「信ちんはいいとして、華先輩はなんて書いてあったんすか?」
『えーと、、かっちゃん訳して』
K「はいはい(笑)」
ふわっとかっちゃんの優しい香りが鼻を刺激する
うーんとうなりながらおみくじを見つめるかっちゃん
肩のあたりにかっちゃんの体温を感じてじりじりと熱くなっていく
K「もう運命の人とは出会っとるって。誠実な心の持ち主を選びましょう」
T「真太郎は消えたな」
S「何言うてはるんすか、先輩は僕に夢中なんで」
グイっと引き寄せられると鎖骨を撫でられる
『ちょっ・・・』
S「さっき見てましたよね?」
わかってたならすぐに自分でしめてよと思いながら真太郎の腕に抱かれ抵抗できない
「真太郎その辺でやめとき」
声の方に振り向くと同時に引き寄せられ、腕の中に包まれる
『あきらっ・・』
A「琢也君と信ちんがにらんどる」
S「ほんまや」
二人の目線の先を見ると今にも真太郎に噛みつきそうな琢也と信人
それより彰に抱かれた肩が熱くて死にそうなんですけど
T「彰もいつまで華にお触りしてんねん」
そういうと今度は琢也に引っ張られる腕
N「琢也ずるいで!」
そして片方の腕は信人が・・・
ってなにこの状況
T「腹減ったー」
N「さっき大判焼きあったで」
K「大判焼きとか久しぶりにやなあ」
・・・
いやいやいやいやいや
この状況を誰かつっこんでよ
イケメン二人に両腕を引っ張られるわたしの身にもなって下さい
あ、そうだ彰!さっきみたいに助けて
期待を込めて振り返り、後ろから歩いてくる彰を見つめる
渾身の力(念力)を込めて彰に助けてオーラを送ると、「もう知らん」と困ったように笑う彰
その様子を見て微笑む真太郎
元はといえばあんたが!・・・
S「先輩おごったりますよ」
『え?』
S「大判焼き。何がええですか?」
両手を引っ張られながら真太郎と話すのは正直つらいけど
いま、おごってくれるっていったよね
『・・・カスタード』
一瞬、ふわっと微笑むと「了解です」と言ってカスタードの大判焼きを買ってくれる真太郎
やっと今の私の状況を少しは反省してくれたか
言いだしっぺの琢也と信人、真太郎は小豆
かっちゃんと私がカスタード
彰がチョコレートをそれぞれ買うと近くにあったベンチで食べることになった
自然と年上組がベンチに座り、年下組は柵にもたれ掛る
T「あー!腹減った!はよ食おー」
N「やっぱ大判焼きはあずきやんな」
K「カスタードもうまいねんで」
『・・・えっと』
TN「なに?」
『いつまで腕つかんでんのかなあと・・・』
いまだに琢也と信人に掴まれた腕はそのまま
T「まだ離したらん」
N「また真太郎が変な気起こすと悪いからな」
いやいや
両手掴まれてたら食べれないじゃん
琢也と信人は人間には手が二つしかないことを知らないのかもしれない
うん、きっとそうだ
S「先輩、口開けてください」
突然かけられた言葉に反応し、口を開けると真太郎が買ってくれたカスタードの大判焼きが口の中に入ってくる
S「おいしいですか?」
目の前にしゃがんで食べさせてくれる真太郎
『・・あまい』
S「甘いの好きやないですか、先輩」
そういうとふっと優しく笑いかけてくれる
いや、今の状況が甘すぎて手におえないんですけど
それを見ていた琢也が急にムスっとし出し
T「華、俺のあんこも食ってみぃ」
と半分強制的に口に入れられる
T「どう?うまい?」
そんな捨てられた子犬みたいな目で見られたらおいしくなくても美味しいって言うしかないじゃん
『おいしいよ』というと「ほんま?」と満面の笑みで言われ、これまた手に負えない
K「華、ここあんこついてるで」
ここと信人の隣から自分の口元を指さし教えてくれるかっちゃん
N「そこやない、ここやって」
それを見ていた信人が、いきなり近づいてきたかと思うとペロッと私の口元を舐める
N「取れたで」
と満足気な信人
いや、もう手におえないどころの話じゃなくなってきましたけども
呆然とし固まっていると反対側から「こっちも付いてんで」と腕を引っ張られ、あむっと噛みつくように口元にキスをされる
『琢也っ!』
T「取れたで!」
いやいや
そんな満面の笑みで言われたって・・・
イケメンたちの予想外の行動は
私一人では手に負えません
(琢也、それはアウトや!)
(なんでー?口やないで口元や)
(まずそっち付いてへんかったし)
(俺も先輩にあむしたい)
(先輩、僕は口でもええですか?)
もう手に負えない
