こういう計算は苦手なので間違っていたら恥ずかしいけれど、1968年度を大学生として経験した人の中で、誕生日が最も遅いのは1950年4月1日だと思う。そして東大の教員の定年は65歳。正確にいうと、65歳に達した日以降の最初の3月31日らしい(東京大学教員の就業に関する規程 第8条)。年齢や日数の数え方には自信がないので断言はしないけれど、おそらく今年度か来年度で、東大闘争を大学生として経験した人が東大に存在しなくなる。
東大闘争を本気で闘った人の多くは退学しただろうし、ある程度積極的に闘争に参加した教員も今ではすっかり丸くなっているだろうから、今年の4月になっても別に何も変わらない。何らかの節目ではあるかもしれないけれど。
教養学部報には、「駒場をあとに」と題して、退職する教員の文章が掲載されている。各教員の文章を読み比べるとなかなか面白かったので、東大闘争に関してこの記事でまとめてみる。
学生弾圧課に見つけられて文句をつけられても嫌なので、教員の名前は出さず、専門分野だけを表記する。教養学部報はごく一部だけがオンラインで公開されている(http://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/about/booklet-gazette/bulletin/)。実物は駒場キャンパスに行けば無料で手に入る。遠隔地の方は内容を知ることができないので、申し訳ないです。
第570号(2014年12月3日発行)
・分子分光学
東大闘争に少し言及しているが、かなり冷淡。文部省は大学闘争に嫌気がさしたのだろう、とも書いている。駒場寮廃寮についても、皆で体を張ったと書いてあるので、おそらく廃寮する側にいたのだろう。ナンセンス!
・素粒子論
言及なし。
第571号(2015年1月14日発行)
・言語情報処理
言及なし。
・代数幾何
言及なし。ただ、教育改革には懐疑的のようだ。
・ベトナム研究
言及なし。教員として学生対策の担当だったらしい。当時の学生は元気だったからもみ合いぐらいは日常茶飯事だったと書いている。駒場寮廃寮も、後に問題を残さずうまく処理できたと自慢している。ナンセンス!我々もこれからもみ合いぐらいの闘争はやってやろう。
・素粒子論
言及なし。
・物性化学
言及なし。
・社会理論
東大闘争に言及しているが、態度ははっきりしない(やや好意的?)。駒場寮に関しては、寮に遊びに行ったときこれが大学の自治かなと思った、と多少好意的に書いてある。
・物性物理
言及なし。駒場寮廃寮は大変だったが、今はいい思い出だと書いてある。ナンセンス!
第572号(2015年2月4日発行)
・日本近代史
東大闘争には冷淡な態度だが、当時のことを詳しく書いていて、共産趣味者としてはとても面白い。引用できないのが残念。
・英文学
言及なし。
・原子核理論
言及なし。
・数論
東大闘争には短く言及しているが、冷淡。駒場寮に対しても、寮では夜中も明かりがついていて不安だった、無事決着できてよかった、とのこと。
・認知言語学
言及なし。
・生物物理
言及なし。
・表象文化論
ひたすら何かについて熱く語っているけれど(表象文化の研究者はえてしてそういうものだと思う)、東大闘争には全く言及していない。
・天文学
当時の自分への、「未来からの報告」という形式の文章。東大闘争には思い入れがとても強いようだ。具体的なことは書いていないけれど、ある程度関わっていたのかもしれない。
