おはようございます。名古屋、岡山、神戸と出張等が重なり多忙を極めていますが、自宅から投稿いたします。

さて、先日はとある刑事事件に関する地元新聞の報道記事をご紹介しました。

私は岡山地裁まで出向いてこの事件を傍聴したのですが、刑事事件の公判を現実に傍聴するのは初めての経験でした。

岡山県社労士会の会員の一人が同業者をブログで誹謗中傷したことで起訴されたという、私たち社労士にとって決して看過できない事件でしたので、以下、あくまでも私の記憶の範囲ではありますが、公共性及び公益性の見地から、私が傍聴した公判内容についてご紹介しておきます。

上記公判では、被害者たる社労士の方を支援する傍聴人（社労士）が全国から集まったため、書記官により法廷（第208号法廷）の鍵が開けられるや否や、傍聴席は直ぐにほぼ満席となりました。

被告人は、弁護人席に座ろうとしましたが、弁護人から「被告人席」に座るよう促されていました。また、当初は「被告人席」に足を組んで座ろうとしたものの、直ぐに足を揃えて着席し直していました。顔を真っ赤にして緊張している様子に見えましたが、他方、物凄い形相で正面に座った検察官を睨みつけてもいました。

私は、この事件が正式起訴に至った経緯について何も知りませんが、通常、名誉毀損罪などの事件は、初犯の場合には略式起訴で罰金刑となることが多いと考えていましたので、検察官が正式起訴に踏み切るまでには相当のやり取りがあったことが予測されました。少なくとも、被告人は略式起訴に同意しなかったものと思われ、よって、否認事件として審理される可能性もあると私は考えていました。

上記状況の中、被告人の夫と称する者ら2名が遅れて法廷内に現れ、法廷の後ろで立っていたため、書記官から立ち見はできないので着席するよう求められましたが、上記したように傍聴席は既にほぼ満席の状態でした。すると、被告人は、直ぐに自ら書記官に対し、証人として出廷した自らの夫であることを理由に他の傍聴者が出て行くべき旨を大声で強弁していましたが、この裁判はあくまでも被告人の犯罪について審理する刑事事件であって、民事事件ではありません。私は、弁護人がいるのに被告人自らが・・・？と強い違和感を覚えずにはいられませんでした。書記官が相手にもしなかったことは言うまでもありません。

ちなみに、一番前の席が一つだけ空いていたため被告人の夫と称する者はそこに座りましたが、周りはすべて被害者たる社労士の支援者でしたから、皆の前で被告人から「夫」と摘示された本人は、さぞかし居心地が悪かったでしょう。私自身は、あまり憶えてはいないものの、当該夫と称する者とは既に面識がありましたが、多くの方々は初めてであったようです。公判終了後、被告人とその夫らは弁護人と別行動で直ぐに裁判所を後にしましたが、公判終了後も１階ロビーに残っていた傍聴者らは皆、「あれが・・・（笑）？」と話していました。

なお、もう一人は書記官に促されて法廷外に出て行ったと思います。

その後、開始時刻の午前10時まで法廷内は静まり返っていましたが、同時刻になると裁判官が現れて「おはようございます。それでは開廷します。」と告げられました。30代くらいの若い裁判官でした。被告人は大声で「おはようございます。」と応じていましたが、これを目の当たりにした私は思わず失笑してしまいました。え！この人、「被告人」でしょ？

最初に裁判官から被告人に対する人定質問がなされ、その後、検察官による起訴状の朗読が行われました。起訴状の内容については新聞記事記載のとおりでした。

検察官が起訴状を読み上げると、裁判官から被告人に対し、黙秘権等に関する説明がありました。傍聴席が満席であったため裁判官も張り切ったのか、私は必要以上に丁寧な説明がなされたように感じました。

次に、被告人による罪状認否が行われましたが、上記予測に反し、被告人は直ぐに「（検察官が述べた事実に）間違いありません。」として起訴内容を認め、弁護人も罪状について争わない旨を述べていました。そうであれば、何故、略式起訴でなく公判が開かれたのか、なお、私には疑問ですが、弁護側が罪状を争わないとした以上、被告人が強弁した「証人である夫」というのはあくまでも弁護側の「情状証人」（被告人の家族や知人などが、被告人の刑の軽減を求めたり、執行猶予付き判決を求めるための証言をします。）に過ぎず、よって、今後については有罪、無罪の当否ではなく、量刑の重さについて審理がなされるものと思われます。

以上、概略ではありますが、私の記憶の範囲でしか記載できないため、何卒ご容赦ください。

上記公判は、被害者たる社労士の方や岡山県社労士会の事務局長らも傍聴に来ていました。しかしながら、新聞記事によれば、結局、同会は会則などに基づいて適正に対応していく旨をコメントしただけのようで、同会会長の林光洋が傍聴等に来ることも、同会から被害者たる社労士の方への謝罪がなされることも、一切ありませんでした。被害者を支援してくださっている同会会員らも沢山いらっしゃいますので、すべての会員らが・・・とは決して言いませんが、刑事事件に発展するまで何も行わず（行えず）、「犯罪者」を野放しにして来たわけですから、法定団体たる同会及び国家資格者たる同会会員らの多くは「情けない」と断じざるを得ず、私は強い怒りを禁じ得ません。

業界の「恥」です！会員が犯罪行為にまで及んで莫大な損害を与えたにもかかわらず、被害者に謝罪することすらできない単なる馬鹿集団における「適正な対応」とはいったい如何なるものなのでしょうか？どうせ何も出来ないのでしょう。

私の気持ちをご理解いただける方は、是非ともhttp://www.okayama-sr.jp/まで問い合わせてみてください。

次回公判は、平成29年12月20日（水）の午前10時からです。

では、事務所に出勤したいと思います。

山陽新聞 平成29年11月25日 朝刊 「社労士 ブログで誹謗中傷」

山陽新聞　平成29年11月25日　朝刊　「社労士　ブログで誹謗中傷」