弁証的行動療法というのは、「圧倒されるような」強い感情で困っている人が、自分の感情とうまくつきあうためにいろいろなスキルを身につける治療法です。
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自分ではコントロール不能の強い感情に支配された時、自殺企図や自傷行為、アルコール乱用などにはしってしまうのをやめ、安全で健康的な方法で対処できるようになることが目的です。
もともと認知行動療法をおこなっていた心理学者が、圧倒されるような強い感情に困っている人には、認知行動療法だけでは支えきれないという経験をし、そこから生まれた方法だそうです。
具体的には、4つのスキルから構成されています。
苦悩耐性スキル
感情的苦痛から、注意をそらして、リラックスし、対処するスキルです。
たとえば、リスカしたくなったときに、赤のマジックで切りつけたい場所に線を引いて、赤い絵の具やマニキュアで出血しているように描く。
腕に輪ゴムをはめておいて、自分を傷つけたくなったら、それをはじく。
などなど、いろんな方法が紹介されています。
注意をそらすための楽しい行動のリストや、五感を用いて自分を落ち着かせる方法など、たっくさーーん書いてありました。
それから、苦痛な時に自分や他人を傷つけてあとで後悔しないために、「徹底的受容」が重要だと書かれています。
徹底的受容とは、「その出来事を価値判断したり、自分自身を批判することなく、現在の状況を認めて受け入れる」ということだそうです。
ただし、他の人の悪い行動を容認したり、ただじっと我慢するという意味ではないです。
怒ったり、自分自身や他人を非難したり、すでに起きてしまったことを「こんなはずじゃなかった」と思い悩んだりすることに時間を費やさず、もっと効果的な対処をしましょうっていう意味だと思います。
確かに、「なんでうつ病になっちゃったんだろ」って過去のことをいくら考えて「あの時こうすれば・・・」とか思ってても、過去はかえられないし、もんもんと悩んで苦しいだけだから、それよりは「過去と戦っても無駄だ」「かえられるのは現代だけだ」と認識して、前にすすんだ方が健康的だな~と思いました。
マインドフルネス・スキル
マインドフルネスっていうと、なんかマインドコントロールとかが浮かんできて、うさんくさいなぁと思った私
この本においてのマインドフルネスとは、「自分自身のことや、自分の経験について価値判断したり、比較したり、批判したりせず、今、このときにおける自分の思考、感情、身体的感覚、および行動をありのままにとらえる能力」のことだそうです。
重要なのは、「今、この瞬間に注意をはらうこと」。
ついつい、過去の失敗や、将来の心配ごとを考えてしまいますが、そうすると、辛い過去や不安な将来の中で生きることになり、人生がとっても困難に感じられてしまうんだそうです。
いろんなトレーニング方法がのってるけど、私的にはあんまりやる気がしないものでした
でも、考え方はいいなと思いました。
感情調節スキル
感情を認識して、調節するための練習がいっぱーい書いてありますが、そこらへんは斜め読みで(笑)
「コーピング思考」という話が役にたちそうでした。
「コーピング思考」というのは、自分の強さ、過去の成功、一般的な現実を思い起こすためのものです。
たとえば、「完璧な人などいない」「私は以前にもこの状況を切り抜けたから、今回も切り抜けられる」などという、自分を励ますような言葉をメモしておいて、感情の嵐に飲み込まれそうになった時に読み返すというものです。
対人関係スキル
ここでマインドフルネススキルを使うことが重要らしいです。
つまり、相手との関係において、過去の出来事とかに焦点をあてるのではなく、そういうのはおいといて、今この瞬間に焦点をあてることが大切だそうです。
他にもいろーんなことが書いてありましたが、斜め読みしたので、省略。
とにかく膨大だし、楽しく読める本ではなかったです(笑)
なんに対しても価値判断しないっていうのは、いい考えかもしれません。
そしたら、腹もたたないし、「ふーん、そうなの」って思えるかも。
自分に対しても「価値があるのか?」とか考える必要もなくなるし。
「こうあるべき」「こういうのがよい」みたいなこともなくなる。
あと、タイムトリップしないというのもよかった。
確かに「さっき友達にあんなこと言ってよかったかなぁ」とか考えて数分前にタイムトリップしてみたり、「来年病気なおってるかなぁ」とか心配して未来にいってみたりすることって結構ある気がします
考えてみれば、それで何かがかわるわけでもないし、時間とかエネルギーの無駄だなぁって思いました。
なるべくタイムマシーンにはのらないようにしよう。