前記事の続きです。
このシリーズ、タイトルがなんだかしっくりこなくて、コロコロ変えております
私は、先生のことをすごく信頼しています。
でもそこにいたるまでには、いろいろ不安もありました。
それがどうやって信頼に変わっていったのか、思い出しつつまとめています。
不信感その2
「先生は私のことわかってるの?」
先生は、最初私の生育歴や現在の生活についてあまり詳しく聞いてきませんでした。
家族構成や職業については初診で聞かれましたが、うつ病になった背景についてはほとんど何も聞かれませんでした。
辛かったことを思い出して話すのは、しんどい作業なので、聞かれなくてほっとしましたが、だんだん「先生は何も詳しく聞かないけど、私のことちゃんと理解してるんだろうか」と不安になった時がありました。
病院にかかる前、大学のカウンセリングを受けていたのですが、そこでは、子供のころの話から、現在の生活、考え方までいろいろ話したので、カウンセリングの先生は私についてかなり把握しているという実感がありました。
最初に受診した8月末から、1ヶ月、2ヶ月たって、私はだんだん12月にある研究発表会に出るかどうか迷っていたのですが、先生はやめておいたほうがいいよとおっしゃいました。
その時、先生は研究室のことや私の生き方について何も知らないのに、どうしてそんなことが言えるのだろうと不満に思っていました。
これは、私が無理やりにでも研究発表会に出たかったので、「出ていいよ」と言われないことが不満だったんだと思います
このころ、お母さんに
「先生は私がどんな生活してるのかあんまり聞かないけど、ほんとにわかってるんだろうか」
って聞いたことがありました。
お母さんは、
「そりゃあひとりひとりの生活を事細かには把握してないだろうけど、ちゃんとわかってると思うよ。この人はこういうタイプの患者とか、いくつかのパターンにわけられるんじゃないの?」
というようなことを言っていました。
「先生を信じれば大丈夫だわ」
とも言っていました。
お母さんは、妹の強迫性障害を、同じ先生に長い間診てもらっているので、お母さんが先生を疑わなかったことは、私の不安を払拭する後押しをしてくれました。
また、病院で週1回の診察を受けながら、主治医には言わずに、大学でのカウンセリングも2週間に1回くらいにペースで続けていました。
そこで、主治医の話をして、カウンセリングの先生も
「間違ったことは言ってないと思うし、信じて治療していけばいいと思いますよ」
と言ってくださったことも、私の不信感をぬぐってくれました。
今、思い返すと、うつ病急性期の治療において、原因を追究することは特に重要ではなかったかなと思います。
とにかくストレスから離れて、薬を飲んで、自然にできること以外はせずに休むということがすべてで、その時先生が私に指導することはそれ以上なかったのだろうと思います。
治療を始めて数ヶ月たって、先生が
「典型的な経過です」
と言ったのを聞いて、患者個人の細かい事情が違っても、おおまかなストーリーは同じような感じで、先生はちゃんと把握しているんだなと安心しました。