レザークラフトで
ヌメ革に活字(メタルスタンプ)を刻印する場合
 
Typo ScriptやPalace Scriptなどの筆記体は
線が細い故の文字の欠けや損耗の心配が付いて回ります。
 
元々が活版印刷で
平面の紙にインクを押す目的で鋳造されたのが活字です。
 
紙に綺麗に印刷させるために
鉛を主成分とした軟質の金属組成となっております。
 
その活字をヌメ革に刻印として使おうという発想自体が
そもそも邪道なのです。
 
何故ならヌメ革に刻印するには
革に字面の文字を食い込ませる必要があるからです。
 
当然紙に印刷する場合よりも
強い加圧力を必要としますし
 
字面が革に食い込んだ際に
垂直面からだけでなく
左右からの圧迫力もかかります。
 
その予想外の加圧に、特にTypo Scritでは
 
イメージ 1
 
 
ベースからはみ出している文字の部分が
欠けてしまう場合が多いのです。
 
対して英国系のPalace Scriptの場合は
ベースが平行四辺形です。
イメージ 2
 
 
文字がベースに乗っている形となっておりますので
字先が飛び出している字種は少なく
 
一部飛び出しておりますNやTなども
飛び出し幅はかなり少なくなっていますし、
ベースに字先がしっかりと固着されています。
 
しかしだからと言って破損しない
ということにはなりませんし、
 
文字の線自体が
細いところでは0.1mmにも満たない部分があり、
 
乱暴な扱いをすれば
文字の線が曲がったり、ゆがんだり、凹んだり・・・
 
そして一気に損耗してしまいます。
 
筆記体は一番人気ゆえに
オークションでも入札が重なる場合がほとんどです。
 
高値で落札される方が多いかと思いますので、
なるべく長く使っていきたいものです。
 
筆記体を刻印する注意点に付きましては
クランプ・ハンドプレス・万力バイス
などの刻印機器全て同じ要領です。
 
すなわち
垂直にゆっくりと加圧する
これだけのことです。
 
先にも触れましたが、
活字は紙に印刷するために作られておりますので
真上からの加圧しか想定されておりません。
 
しかしヌメ革に刻印しようとする際には、
意外と少し斜めに活字を押している方が多いのです。
 
例えば万力を使う場合には
締め付けていく途中で活字が
少し斜めになってくる場合がございます。
イメージ 3
 
 
その場合は少し締め付けをゆるめて
活字を垂直に直して下さい。
 
Cクランプやハンドプレスでも同様で
必ず水平面から活字を覗き込み、
都度真っすぐに直しながら加圧していって下さい。
 
そして加圧する場合は
一気にギュっとプレスしたい気持ちを抑えて
 
出来るだけゆっくりと
すこしずつ圧をかけていって下さい。
 
これだけで
破損率や損耗率は格段に低くなります。
 
本当にちょっとしたコツになりますが
 
少しでも活字を長持ちさせるためにも
頭の片隅にでも覚えておいて頂けますと幸いです。
 
おにぎり

 

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◆活字刻印マニュアル目次は→こちら
 
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