レザークラフトで
ヌメ革に活字(メタルスタンプ)を刻印する場合
Typo ScriptやPalace Scriptなどの筆記体は
線が細い故の文字の欠けや損耗の心配が付いて回ります。
元々が活版印刷で
平面の紙にインクを押す目的で鋳造されたのが活字です。
紙に綺麗に印刷させるために
鉛を主成分とした軟質の金属組成となっております。
その活字をヌメ革に刻印として使おうという発想自体が
そもそも邪道なのです。
何故ならヌメ革に刻印するには
革に字面の文字を食い込ませる必要があるからです。
当然紙に印刷する場合よりも
強い加圧力を必要としますし
字面が革に食い込んだ際に
垂直面からだけでなく
左右からの圧迫力もかかります。
その予想外の加圧に、特にTypo Scritでは
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20191122/08/utsumaru/cf/e3/j/o1024076814646158513.jpg?caw=800)
ベースからはみ出している文字の部分が
欠けてしまう場合が多いのです。
対して英国系のPalace Scriptの場合は
ベースが平行四辺形です。
![イメージ 2](https://stat.ameba.jp/user_images/20191122/08/utsumaru/cb/27/j/o2048153614646158517.jpg?caw=800)
文字がベースに乗っている形となっておりますので
字先が飛び出している字種は少なく
一部飛び出しておりますNやTなども
飛び出し幅はかなり少なくなっていますし、
ベースに字先がしっかりと固着されています。
しかしだからと言って破損しない
ということにはなりませんし、
文字の線自体が
細いところでは0.1mmにも満たない部分があり、
乱暴な扱いをすれば
文字の線が曲がったり、ゆがんだり、凹んだり・・・
そして一気に損耗してしまいます。
筆記体は一番人気ゆえに
オークションでも入札が重なる場合がほとんどです。
高値で落札される方が多いかと思いますので、
なるべく長く使っていきたいものです。
筆記体を刻印する注意点に付きましては
クランプ・ハンドプレス・万力バイス
などの刻印機器全て同じ要領です。
すなわち
垂直にゆっくりと加圧する
これだけのことです。
先にも触れましたが、
活字は紙に印刷するために作られておりますので
真上からの加圧しか想定されておりません。
しかしヌメ革に刻印しようとする際には、
意外と少し斜めに活字を押している方が多いのです。
例えば万力を使う場合には
締め付けていく途中で活字が
少し斜めになってくる場合がございます。
![イメージ 3](https://stat.ameba.jp/user_images/20191122/08/utsumaru/06/9e/j/o2048153614646158524.jpg?caw=800)
その場合は少し締め付けをゆるめて
活字を垂直に直して下さい。
Cクランプやハンドプレスでも同様で
必ず水平面から活字を覗き込み、
都度真っすぐに直しながら加圧していって下さい。
そして加圧する場合は
一気にギュっとプレスしたい気持ちを抑えて
出来るだけゆっくりと
すこしずつ圧をかけていって下さい。
これだけで
破損率や損耗率は格段に低くなります。
本当にちょっとしたコツになりますが
少しでも活字を長持ちさせるためにも
頭の片隅にでも覚えておいて頂けますと幸いです。
![おにぎり](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/229.png)
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