鉛の天使たち♪信者のお守り*ポケットレリージョンコインズ

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その少女には病と闘う母がひとり
 
ふたりきりの家族
 
古いアパルトメントの一室
 
冷たい隙間風が吹き込む

クリスマスの夜

町のショーウィンドー

きらびやかに輝くロザリオや
金十字のペンダント

信心深いその少女には
高価なお守りを買うお金など
あろうはずもなく

ふと気がつくと
*†教会†*の前

天使が彼女に
そっと微笑みかける

マリアさまから
手渡されたものは

鉛で鋳込まれた
天使のコイン

鈍い鉛色の
ぶ格好なコイン

彼女の目に映った
そのコインは
こころのフィルターを通して

どんな高価な宝石よりも
輝きを放っていた
 
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幾度となく
襲ってくる不幸
 
そのたびに
 
少女は鉛の天使を
ぎゅっと握りしめた
 
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幾十年の年月が過ぎたことだろうか
白髪の混じった
貴婦人の手には
 
あのときの
鉛の天使が
そっと握られていた
 
ふと見ると
 
不幸の楯となった
その天使は
原型を留めないほど擦り減っていた
 
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今は幸せのお守りとなった
その天使は
 
次の世代に
 
昔話とともに
 
静かに引き継がれていく
 
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こちらコインは
鉛で出来ています

融点が低く
簡単に成型できることから
教会で鋳込み
信者に配布したり

庶民自らが日銭を稼ぐために
自ら鋳込んで作ったものです

分厚いコインは
人々のポケットの中で暖められ
人肌になったコインに祈りを捧げました

本当は祈りの言葉が入ったものや
さまざまなデザインがあるのですが
画像が残っているのは
この天使のモチーフのみでした。
 
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たかが
鉛の塊ですが
 
経てきた歴史の物語に耳を傾けたり
 
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祈りを捧げることで
磨り減った天使の姿に触れることで
 
冷たい無機質な一塊に
温かみを感じることが出来ます。
 
温かい血の流れは
疲れた我々のこころの奥を
 
そっと癒してくれるのです。
 
。・。。・。・・。・。・。・・。
 
そんな私の目の前には
 
仏壇が鎮座しております
 
 
南無阿弥陀仏
アーメン
 
 
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