2011年11月
ようやく、実家が取り壊されることになった。
立ち会いは不要と言われた。
あんな瀕死の状態でほっとかれるのは辛いだけだったので、まあいいだろうと思った。
両親の石巻への未練も少しは減るだろう。
しかし、悲しいことは悲しい。
そこで、最期にもう一度だけ行きたい。あと一度だけでいい。
そう思い、夜行バスをとった。
23時50分発、朝6時着の石巻行き。
帰りはその日の夕方新幹線。
強行スケジュールだった。
夜行バス辛かったな~生まれてはじめて乗ったが、寝れなくても真っ暗にされカーテンも開けれず携帯も開けず…長かった。苦しかった。
とにかく、どうにか実家について、もう一度いろいろ探した。
押し入れの奥に、姉貴のアルバムはあった。俺のはなかった。まあ仕方ない。
もう二度とこの家には戻ってこれない。
これでほんとに見納め。
辛くなって、目頭が熱くなった。
一筋の涙がこぼれた。
実家との永遠の別れが、俺の、枯れた涙をほんの一滴だけ呼び戻してくれた…