あれから2年 | 歌奴の「奮闘努力の甲斐もなく」

歌奴の「奮闘努力の甲斐もなく」

四代目三遊亭歌奴のブログです

大変ご無沙汰しました。

今日は私の師匠、三代目圓歌の三回忌。
二年前の今日、本来の出番は末広亭昼席から鈴本演芸場の夜の部のトリ。それに加えて池袋演芸場の代演を受けていました。
池袋演芸場に楽屋入りする直前に師匠が搬送されたとの報を受けました。
出番までに間がなく、高座を務めてから急いで表に出ると留守番。師匠が亡くなったという報でした。
末広の高座は直後でしたので、色々考える暇もなく務めました。

師匠の家に向かい、一門の話し合いで師匠が亡くなった事は明日一斉に発表と決まりました。
その日の鈴本のトリの高座は辛かった…。
師匠が亡くなったという事が段々と実感として湧いてきます。
楽屋でもお客様にも誰にも言う事ができない辛さ。
この日の高座は途中で泣いてしまうかもしれない、それもいいかと覚悟を決めて「阿武松」をやりました。
大飯食らいの若い衆が、良き師匠のおかげで横綱にまで昇進できたという相撲噺です。
幸いにも途中で泣き崩れる事も無く、無事に噺を終えました。
「バカだなお前は。しっかりしろよ。」
師匠はそう言っていたような気がします。

長い長い平成29年の4月23日。
二年後の今、四代目圓歌襲名披露興行を、奇しくも池袋演芸場で行われています。
四代目の襲名を誰よりも喜んでいるのはうちの師匠だと思います。
私も残りの高座、一生懸命務めます。