「恋」というものに

恋焦がれていた

未熟な時代

 

「恋」というカタチの

甘さを味わいたくて

自らの気持ちだけを

押し付けていた

 

「好き」と伝えれば

相手の心も手に入ると

そう信じていた

幼き日々

 

 

熱を注げば注ぐほど

相手へ深傷を負わせる

 

しがらみの中では

堰き止めておく感情

 

 

本当に守りたいならば

伝えられぬ想いもある

 

本当に大切に想うならば

眠らせておかねばならぬ花もある

 

そんな愛を知った

大人の苦さ

 

 

ただひたすらに

 

共に時を重ねる幸せ

それだけが

満たされる真実

 

抱きしめ伝え合う温もり

それだけが

切ない現実

 

 

目の前にいる貴方が

幻ではない証

 

いまだけは

強く感じて

 

ふたりを分かつ

時の針

 

その意味すら

忘れるほどに