蕊 貴方の傍にゆけば 貴方の芯を掴めると思っていた 貴方を大切にしたいのに 貴方を知り尽くしたいのに 近づけば近づくほど 貴方を見失う 手を伸ばせば 届くところに在る被写体 それなのに 寄りすぎて 焦点が霞む 視界のよう 貴方の中に咲く蕊は 触れられそうで 触れられぬ 密なるもの