砂の城 | 銀の月 言の葉の夢

銀の月 言の葉の夢

♫♦*゚¨゚・*:..。溢れる思いを☆.。.:*言の葉に乗せて・°☆.。.:*

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好きだって言葉が

手の平から零れはじめる


乾いた砂のように
さらさらと


音もなく


積み上げた砂の城
好きという思いの砂粒でできた
砂の城


自分で壊したくなる


蒼い月の夜







✿・*・✿・*・✿・*・✿・*・✿・*・✿・*・✿



ひとりで空回りしてると
時折 やけになって いろんなもの
放り出したくなる

好きだよ
大好きだよ
そう 何度もつぶやきながら
砂の山作っても
砂は手のひらから溢れ
積み上げた先から サラサラ崩れてゆく

なぜ 砂なんだろう…って思いながら
積み上げる事 辞められなくて
溢れる涙は 砂に落ちては引き取られ
黒い跡が残るだけ
だけど たくさん涙を流したら
思いの外 砂は溢れずに 好きという形を形どって
やがてそれは砂の城になってゆく
いたるところに 大好きなあの人の笑顔や声 
が埋まっている砂の城…

いったい これが、なんなんだっていうのだろう
ひとり立ち尽くした時 
夜空に浮かぶ蒼い月が
私に問うように 砂の城 照らしていた

大きなひと波にさらわれて いっそ
 全て無くしたなら
諦めがつくというのに
なぜか
無性に 
自らの手で
全て壊したい衝動に駆られる


そんな 

ひとりぼっちの 夜…