冬がきらいだ。

容赦なく切りつける風にぴりぴりと耳の先が腹をたてている。


それでも何かに引かれるように、夜明け前の河川敷をごくゆっくりと歩いていく。

所謂「青空」とは違うけれど深く染まった青色がとてもキレイに感じた。


10分ほど歩いた辺りで芝生の堤防を小走りで下り降り、野球場のベンチに腰掛ける。

息は真っ白、寒さで肩をすくめて丸くなる。


ここで待っていれば、お天道様がもうじき僕を迎えにくるのだ。


そうだ、今僕は朝が来るのを待っている。


あんなに朝が来るのが嫌だったのが、確かに朝が来るのを待っている。


お天道様よ、なんなら僕が迎えに行こうか。

0章 ~朝でもなく夜でもなく~



ドン!ドンドンドン!




……




「誰だよ……こんな時間に……。」


「遅れるぞ!遅れるぞ!」


「……んん?遅れるって……。」


「行かないの!行かないの!」


「行かないのって……おい、大体こんな時間に誰なんだよ!」







ガチャ!


アパートのドアを思い切り開けると、そこには誰もいなかった。


まだ夜明け前で辺りはまっくら。

やかましいカエルの鳴き声を聞いて、あぁ僕はきっと寝ぼけていたのだと、ふと我に返った。


そしてなんだろう、起きるのがあんなに辛かったのに、ちょっと散歩でもして河川敷で日の出でも見ようかななんて気持ちになっていた。



僕は実に久しぶりに外に出た。


もう、冬だったんだ。



小説を週一回(くらい)のペースで書いていこうと思う。


自分なりのロックを探しにいってきます。


どうぞよろしく。