神さまは飼育員 | オクノスタイル

オクノスタイル

福岡を中心に、オリジナル曲を歌ったり、語りと即興音楽のライブをやったり
写真を撮ったり、物書きしたり

日々の様々を自分目線で書きつらねてます



長崎の小浜温泉へ、ジャカランダという花をみに出かけた


ジャカランダは、思ったより樹木で、小浜の温泉街の表側、海に面している幹線道路の街路樹として、ちょっとしたリゾート感を演出していた


よく見ると花は釣り鐘っぽい形をしており、それはそれは美しい紫色


海風に吹かれるほど、シャラリラと音が聞こえるようだ


この音は、紫色の音だなと思った

音にも、色があるのだ




いい天気だ


橘湾から吹く風は、少しも海くさくなく

青空の匂いがした


あー

匂いにも色があるんだな



ついでに足湯に浸かって
ジャカランダと橘湾に挾まれながら、とんびの鳴き声を聞いていた

小浜の足湯は日本一の長さを誇り、105メートルあるらしい
その名も、小浜温泉足湯ほっとふっと105

温度が高い温泉なので、源泉で卵とか野菜とかゆでることができる

もうそこは海ということで、お土産やさんには海産物が並び
お魚のせんべいの焼き立ての香りが、ふよふよ浮いている

そうか
ジャカランダや海のにおいより、少し重たいんだな

いつまでも美味しい香りに五感を刺激され、よだれが出ちゃう


水平線から海は始まる

だから、空もあそこから始まるんだと思う


今日は、雲もそこから始まっている


思わず屋台のレモネードを買ってしまった

すごく普通の味だった


*****


水族館の魚は、ちゃんと餌を与えられる

動物園の動物も同じだ


餓死する選択を自らしなければ、餓死することはない


そういえば最近の動物園は、より自然な状態での飼育を目指して、餌を見つけにくい所に隠して探させたり、展示室を本来生きる環境に近い状況にしていたりする


先日テレビで、クマの餌を湯たんぽの容れ物に入れて、そこから本人(クマ)に出させる、というニュースをみた


クマは、器用に湯たんぽのフタを開けていて、すごっとなった


と、同時に、人間も同じだなあと

何だか、みょーな腹落ち感を覚えた


どこかに、人間を育てる飼育員がいて

人間は展示・観察されている


見ていて、こんなに面白い生き物は、きっといないだろう


まるで私たちが映画でも観るように、その誰かは、私たちのやってることをみて、一緒に泣き笑っているのだ


次はこんなものを与えてみようか

今までは与えすぎていたから、次は本来生きる環境に合わせて餌を隠してみようか


飼育員さんは、私たちの群れを全体的に見て、人間という種を飼育している


、、、おお

これは、、案外あり得るかも 笑



どちらにしても、今を生きるだけよ


そんなクマさんの心の声が、聞こえたかもしれない



花は咲くだけ

空は在るような気がするだけ


海は満ち引きし

満ちることは、引くことでもある



私たちは、微笑んで


この世界を、鳥のように鳴く