雪が積もり、明日から寒くなるというので、夫と一緒に飲もうと思い、ココアの材料やワインのつまみを買い込んで帰宅。しかし黄体期でイライラ気味。
案の定石油ストーブの石油がないだとか、まだ使える電気ストーブを捨てようとして汚いだとか寒いだとかくだらないことでケンカ。
彼は謝るが私の顔は一切見ない。私が泣いていると、トイレのドアを殴りつけて穴をあけた。
外に行こうとする。これ見よがしに感じるので止める。クローゼットに引きこもる、52歳の男が。情けなすぎて唖然とする。
私のことを心配するような口ぶりをして油断させた瞬間に出ていこうとするので服をつかんで引き留めると、強引に立ち去ろうとする。
私は引きずられて、風呂上りのパジャマ・スリッパのまま、マンション外廊下の階段を引きずられて、落ちる。
こだわって買ったお気に入りのパジャマとスリッパと折り畳み傘とストラップとキッチンマットがすべて玄関から落ちて汚れる。
体中を階段に打ち付ける。なぜこんなくだらない理由でこんなことになるのか。
耐えられず引き留めると、掴んでいたダウンコートもセーターも脱いで上半身裸で雪の中を走り去っていった。
パジャマもスリッパもダウンコートもすべてゴミ袋に入れて風呂に入りなおした。身のちぎれるような想いがする。
育児休暇中にグアム旅行へ行っていた弟から、甥の出産祝い返しを送った旨のメールが届く。
ありがとう、と返す。
彼は翌日帰ってきて、やはり私が悪いのだと言う。
それから二週間経つ。もう怒る体力もなく、くだらない冗談を言ったり飲みに行ったりして日々をごまかすが、だんだん抑うつがひどくなっていく。蓄積がなくなっていくみたいに。糖質以外味がしない。
朝のヨガも、血糖値の記録も、睡眠も食事も取らない。残業して酒を飲む。
私が長生きしたところで、合併症の地獄の中孤独死するだけだ。
彼は見て見ぬふりで、自分も酒を飲んでぼうっとしている。
死にたいな、と思う。