「新年会、しない?」
今年一発目のレギュラー収録
最後のカットがかかり、ぞろぞろと揃って
楽屋に戻る最中
まつじゅんが被ってたキャップをおもむろに
指でくるくるとしながら言った
ちょっと考えて
でも不安にさせないようにか、すぐに
「まさか今日?! ごめん俺予定あるわ」
唇に手をやって、一番に反応する
うん、知ってるよ
マネージャーくんから、みんな聞いてる
「わたしも明日結構早いんですよね」
楽屋に着くやいなや、もう着替えが
あらかた終わったんじゃないかってくらい
素早い動きで、ニノが充電完了になった
スマホの時間をのぞき見た
25日なら空いてますんで、
とひと言残し「お疲れさまー」と
靴をペタペタ言わせて帰っていった
夜ならおいらは合わせれるよ、と
ふにゃっと笑って、いつの間にか用意を
整えたリーダーは続いて楽屋を後にした
何も言えずに視線を泳がせていると
無造作にソファーに置かれた
ボトムスといつものTシャツが目に入る
それをなんだか艶かしく思えちゃうおれは
...重症、だ
翔くんさえいいなら、じゃ25で!
と、とびきりの笑顔を見せたまつじゅんが
バタンと扉の音をさせ、部屋を出た
突然あらわれた静寂
比較的広めな部屋が、おれと翔ちゃんの
二人だけの空間に早変わりする
「なんか、ごめ...ん」
髪のセットを崩すように、長い指で
前髪をわしゃっと散らした
オフの合図
一歩、二歩、と近付く距離
振り返らなくても分かっちゃう
おれは背を向け、ほんとは早く出来る着替え
にてこずるフリをした
「...いばくん? 相葉...くん...
雅紀!」
もう一歩も動けない距離から
なにも言えないでいるおれの名前を呼び
抱きすくめられた背中
前で組まれた腕に激しく刻む心音が
バレちゃうようで
「ナニ? 楽屋だよ、ココ。
人が来ちゃう」
素っ気ないコトバも、覗き見られた横顔で
どうせ真意は分かってるんでしょ
「鍵、掛けたから」
低い声が耳元で躍る
それだけでおれは舞い上がって
腰砕けになっちゃってるの、知ってる?
「...25日、新年会しようよ。
みんな合いそうだしさ」
腕をすり抜け、最後のニットを羽織った
「でも色々用意してくれてたんでしょ
誕生日に、って。
俺言うよ、雅紀と二人にし...ッ...ん... 」
飲み込むようにふさいだ唇
すぐに応えてくれる
そんな、翔ちゃんが好き
好き...
荒々しいキスで形勢逆転されて
壁に押し付けられた躰
この瞳でじっと見つめられたら
絶対に逃げらんないよ
気持ちとはうらはらに
名残り惜しく離れた、濡れた口唇
「みんなでワイワイやろうよ、ね」
やっと二人の時間作れそうだねって
笑い合ったのが数日前だけど
5人の時間も、もちろん大切で
「じゃ、今日の予定変更」
今度は正面からニットごとガバッと抱き寄せ
首筋から滑らせた指を髪にからませ
まぶたにそっと落とされたキス
さっきとは反対の耳から
" だって、このままじゃ帰れないデショ "
いたずらに囁く
絡んだ脚からも、熱を感じた
「では、カンパーイ!!」
ぶつかり合うグラスの音
用意されたシャンパンの気泡がはじけた
こうやって皆んなで笑顔で新年を
迎えられた事に感謝しながら
この何にも替えがたい関係がずっとずっと
続きますようにって願いを込めて
「そしてーー、
ショウサクライお誕生日おめでとう!」
「翔くんおめでとー」
「いやぁ、めでたいね」
そして、とびっきりの愛を込めて
「翔ちゃん、おめでとう」
写真撮っちゃう?
ゴキゲンなじゅんの提案で
みんなぎゅうぎゅうに集まって
ハイ、チーズ!
の瞬間に、どちらからともなく
そっと後ろ手を繋ぎあった
Happy birthday to you.
My dear...

