約２０年ちょっと前に元ロッカーズの鶴川さんからの紹介で知り合った。ジュエリーデザイナーで経営者でもあるジョニー。若い頃はブラジルに武者修行に行き宝石を磨いたりする技術を学んだ。音楽にも精通してて俺よりも詳しいくらいだ。

「社長がギター習いたいって言いよっちゃんね、教えてやってくれんかいな？」何とも軽い言葉。そう、その時鶴川さんは社員だったのだ、ロッカーズは高校生の頃から聞いてたし、曲もメンバーの顔も把握してた、そんな中ヴィジュアル担当のセカンドギターの鶴川さんとは共通の友人が仲を取り持ってくれた。

ジョニーの自宅へ月に一回だったか二回だったか通い出した。その当時俺は結婚も決まってたし、専門学校や北九州の楽器店への仕事に手を広げてた時だったけど、フィアンセが車で百道浜まで送ってくれて、レッスン終わるまで時間を潰し、それからあちこち遊びに行ってた。時間や心の余裕のない中で唯一の楽しみでもあったし今でもいろんなことを思い出す。

結局１０年前まで自宅へは通ってた、でもその時は一人でチャリで通いレッスン前にランチをご馳走になり、年に数回のサミットと題した中洲への飲み会は今だに続いてるけど、この度、状況はお互い変わりジョニーもソロになり俺も結婚生活は数年前に終わり約１０年ぶりに百道浜へお邪魔した。お互いのこれまでの人生をあの時やあの時間切り取って話せる。そんな仲になれるのはお互いの気遣いや時間や歴史や思いやりやリスペクト継続などが必要であって、人生においてもそんな多くはなれない。

少し早めに着いた俺はデパ地下で味はわからないけど見た目がセクシーだったロゼのスパークリングを手に下げ、ヤフオクドームから百道浜の海岸のマリゾン、またこれも何年ぶりだろう？福岡タワーの正面に立ち見上げた。耳にはブルーツゥースのJBLからランダムにライブラリーから音楽が流れてる、必ずか神様のせいか何故か当時フィアンセと車でヘビーローテションだったリンダルイスの曲が流れて来て、曲が終わるまで思考を止めて木陰のベンチで涼んだ、少し涙が出そうになったけど、それさえもかき消すような、外国人旅行客。世界的にたいして美しい部類には入らないと思う百道浜の海岸で漢字が掲げられた旗をなびかせ何十人もの団体が写真を撮ってる。隣を見れば日本人とは思えないカップルも多数…

時間通りに図書館から続く並木道をあえて歩いた、そこは当時のフィアンセが車で俺を降ろし、また迎えに来てくれてた道。少し木が繁ってる気がする、自宅に向かい入れられた部屋は当時とまるで違い、ソファーも家具も床も面影はない。また生活感も無くなってた…それは洗練された美学で創り上げられてる秘密基地とでも言うか。そんなジョニーは半年前に会った時よりも肌が黒くなりリビングには筋トレの器具が並んでる、昼間から夕日が差し込む部屋でワインをあおった。大きなTVの横には見たこともないような丸い大きなブルーツゥーススピーカーが、そこでずっとお互いの好きな音楽を流しながら色んな話をした。書斎兼仕事部屋はまるで外国の老舗の有名なHotelのロビーのようで素晴らしかった。

素敵な時間やこだわりは凄く勉強になったけど、自分とは別次元の生活で相変わらず凄いと思ったけど、あの頃よりは羨ましいとは思わなかった。とても真似できず素敵だとは脳みその９５％で感じたけど。

これからは日サロと筋トレとプロテインでフェロモン出さんといかんですよ！

に、この２０年の月日を感じたけど、金は無いけど少しづつこだわりの家具や装飾や増やして頭の中のイメージや曲つくりに活かそうって、無口でよかったタクシーで酔い潰れる寸前の俺は目を閉じた…

Ｉ'm Johnny