虚言岩尾は日々、演技の練習に余念がない。私が寝ている時でも欠かささず1人芝居の練習をしている。付き合いが末期の頃、私はもう関わりたくないという一心で結構早い時間でもベッドに入り寝たフリをしていた。

そうすると、しばらくして1人でテレビを見ていた岩尾は、ベッドに近づいてきて私が寝ているのを確認すると1人芝居開始で私に話しかけるように、

「…もう、俺たち、終わりだよね…いろいろ…あったよな…そう、そうだ、あのとき、…あのときのおまえは…かわいかった…無邪気にはしゃいで…あんなに笑って…」


とかナルシストっぽくしゃべり出すのだ!

えー、余談ですが岩尾は「無邪気にはしゃいで」という台詞がお気に入りで1人芝居でよく使います。これ豆知識!

これがドラマのワンシーンなら全く問題ないけど、現実でこんなこと声に出してしゃべくってたら寝てる人も起きますよ。てゆうか、起きて欲しいからわざとデカい声でしゃべってんだよね。その声で私が起きて「何か言ってた?」みたいなことを聞かれたら「ううん、なんでもないよ…寝てな」とかいって満面の笑みで寝かしつけようと思ってんだよ!そうゆうドラマよくあるし、それを演じてるわけ。

でも私は関わりたくないから寝たフリを続けると、なかなか起きないからって台詞が無くなって、もう一回同じ台詞から再度スタートするわけ!!!!め、め、め、めんどくせー!

虚言癖の奴は自分が超大好きだしナルシストでもあるから、ドラマのワンシーンの中にいるような設定の自分の臭い台詞と演技に酔ってんだよね。

そんで、いつだかださい指輪をくれたことがあって、すごいださいのに女友達と一緒に買いに行って選んでもらったとかゆう大嘘をこいて

「これはあいつ(友達)が絶対これがいいとかいって、店員も『あれ~岩尾君、こうゆうのはどう?』とかいって~」


とか長々と説明しはじめた。

一応喜んだフリはしたけど、一緒にいるときは義理で付けてて岩尾が帰ったらはずしてたら、いつだかの1人芝居が始まったとき、なんの意味があるのか寝てる私の中に指輪を入れてきたではないか!…飲み込んだら死んじまうだろが!

もちろんその最中も「あのころのおまえは無邪気で…」とか言いながらですよ。だいたい私無邪気にはしゃいで遊んだことないし。

そんなことされたら誰でも起きるわけで、びっくりして私も目を開けたんだけど、そしたら待ってましたと言わんばかりに、とっさに私が起きたのをまだ気づいてない演技で別の方向を向いて、黄昏れてるような目としゃべり方で

「俺…いつか言おうと思ってたんだ…いつか…おまえに…指輪を…その指輪を…」


と途中まで言って、そこで私が目を開けてるのに「気づいたフリ」をして、とっさに「はっとした顔をしたフリ」をして、更に「ちょっと焦ったフリ」をして、「あわててる感じのフリ」をしながら、

「あ…起きてたんだ…ね、ねてるかと思っててさ…あの…えっと…ん~、俺も寝ようかなと思ってさ、あはは!焦っちゃった、今の聞いてないよね?」

と、「どもってるフリ」をして言ってくるので、そこで本当は岩尾物語では私がその台詞を聞いちゃってて続きを聞きたいと言ってくるはずなんだろうけど、関わりたくない私はそんなこと言いませんよ、「何か言ってた?早く寝れば」と真顔で言ってやるのです。

そんで私が何も言わないで寝ると、次回また同じことが最初っから始まって、私が「続きを聞かせて」と言うまで辞めようとしない。

山本も全く同じ1人芝居をしょっちゅうやってたのでこれも虚言癖がよくやることなんだと思われます!

→寝てる私の前で堂々の1人芝居 山本編