私が使っている冬キャンプ用の暖房器具。
その筆頭がこのキャタリックヒーターです。
米国コールマン製で型番はMODEL511Aで、暖房出力は5000Btuです(そもそもBtuがどんな単位か知らんけど)
ストーブ(燃焼器)ではなくヒーター(発熱体)の名前の通りで、暖房能力としては非力な部類に入ります。
感覚としては炭火の七輪程度の暖かさですかね?
そのため木製の折り畳みローテーブルの上に毛布を掛けて簡易コタツテーブルにして、その中に設置して使用しています。
これ、めっちゃ幸せになれるキャンプ道具ですよ。
使用する燃料はコールマン純正ホワイトガソリン(白ガス)が指定されていますが、自動車用ガソリン(いわゆる赤ガス)を自己責任で使用しています。
理由は燃料単価が安いから。
赤ガス使用の欠点としては、不純物(主に添加剤やオクタン価調整剤)を含むため、使用時の異臭と燃料を吸い上げるウイックのカーボン付着があります。
今回のトラブルは、このウイックの汚れを原因とするものと推測しました。
1)症状
燃料タンクにレギュラーガソリンを給油後、本体を逆さにしてドーム状のセラミックに燃料を染み込ませます。
直径200mmほどの丸いシミが出来たらライターで着火。
プレヒートの開始です。
ここまでの手順はいつも通りなのですが。
プレヒート終了直後は十分な余熱によりセラミック触媒が赤く発熱を始めますが、数分後に触媒反応が停止して熱が冷めてしまいます。
何度プレヒートを繰り返しても症状は変わらず。
2)原因追及
部品が少なく機械的構造が単純で、本体の落下などによる破損を除けば壊れる様な部品は存在しません。
513型の様な温度調整アジャスターも付いていませんから。
要のセラミックドームや燃料を吸い上げるウイックの経年劣化以外に考えられず。
赤ガス使用の欠点としては、不純物(主に添加剤やオクタン価調整剤)を含むため、使用時の異臭と燃料を吸い上げるウイックのカーボン付着があります。
今回のトラブルは、このウイックの汚れを原因とするものと推測できます。
恐らくはウイックに赤ガス特有の不純物が目詰まりしたのでしょうね。
3)分解手順・作業方法
まず分解して中身の確認をしない事には始まりません。
分解作業の準備段階として、屋外に作業用のシートを広げ、燃料を抜いてタンクを空にします。
ガソリンを取り扱う作業なので、必ず屋外の風通しの良い場所で作業しましょう。
静電気対策も忘れずに。
火花一発で吹っ飛びますよ。
セラミックのドームは水道管の様なパイプを通して燃料タンクに繋がっています。
接続部分は恐らく米国インチネジの細目でネジが切ってあると思います。
保護カバーになっている金網ごとセラミックドームを反時計方向に手で回せば緩んで外れます。
ネジが固いときは無理をせずにCRC556等の浸透潤滑剤を使ってください。
細目のネジは弱いので力でねじ切ったりすると取り返しがつきません。
ネジが回れば本体上部はこの様にバラせます。
この時点で、ウイックのセラミックドームへの接触部分がタールや煤で真っ黒に汚れて、カッチンカッチンに固まっているのがわかります。
これでは毛細管現象を使ってタンクから燃料を吸い上げることができません。
さらに分解していきましょう。
燃料タンクに刺さっているパイプを取り外します。
このパイプがウイックの固定をしているので、パイプを外さないとウイックを取り出せません。
素手では回らないので工具を使います。
パイプレンチが有ればベストです。
プライヤーだと滑って回りませんね。
ネジが錆で固着しているのか、封着材で接着してあるのかわかりませんけど。
モノが古いだけに補修部品はまず手に入らないと思ってください。
好い加減な工具で作業すると痛い目に合うと思います。
正しい工具で正しい作業。
パイプを外してウイックを取り出しましたよ。
4)点検結果
中央の黄色いスポンジは断熱材のグラスウールです。
ウイックの全長は約200mm。
太さは直径約22mm。
金属パイプからのウイックの突き出し量は約30mm。
ウイックの燃料タンク側です。
洗浄のためにメタノールに付け込んだので湿気っていますが、乾燥するとグラスウール特有の艶のある真っ白い紐です。
セラミックドーム側のウイックです。
金属パイプはカシメてあるだけなので爪を返せば外れると思いますが、復元するのも面倒なのでこのままアルコールにドブ漬けして洗浄を試みましたが効果なし。
煤ごとヤニがウイック表面を固めているので、有機溶剤を使っても洗浄は難しそうですね。
断熱材のグラスウールは問題無さそうです。
この程度のグラスウールなら建材屋でも簡単に手に入りそうですから、交換しても良さそうですが。
わざわざ買いに行くのも面倒なので再利用しました。
燃料タンクの内部を覗いてみる。
錆も無いし、パイプを刺すネジも問題なし。
黒いパッキンも交換した方がいいけど、このサイズの丸断面の耐油性パッキンの手持ちが無い。
面倒くさいから後で交換します。
燃料タンクの給油キャップのパッキンもダメだな。
加圧式ランタンやストーブのキャップが使えるのかな?
後でサイズを調べて部品屋へ買いに行こう。
日本製の耐油パッキンの方が品質が悪いってこた無いだろうし。
セラミックドームの内部も目視点検。
綺麗だね。
問題なし。
使い込んだビンテージ物だとセラミックが崩れる物もあるらしいが。
この個体は5~6年ほど前に運良く箱入り新品で購入したからね。
セラミックドーム下の断熱材は、銀紙というかアルミ箔?もグラスウールも綺麗な状態。
まぁ材料の代用品はホームセンターで手に入るので、自作しようと思えば難しくもないけれどね。
この間ウイックをアルコールに浸し続けたが全く汚れは落ちない。
そこでガスバーナーで汚れを焼き切ることにした。
まぁ、見た目は汚れが焼けて飛んでいくので綺麗にはなるんだけど。
どうやらガラス繊維のウイックが熱による経年劣化で縮んでいるらしい。
冷えてから触ると表面のガラス繊維が粉末になってボロボロと崩れ始める。
調べてみると交換用のウイックは有るには有るんだけど型番が合わないのと、見た目で大きさも違うのでポン付けは無理だと思う。
合いません(キッパリ
使えるかどうかわからん部品を3,300円も出して買うなら、石油ストーブ用のグラスウールの替え芯を買って改造するか。
いっそ薪ストーブの大手ホンマ製作所が取り扱っている紐状のグラスウールの断熱材があるので、それを手に入れて改造した方が良いと思いますね。
長さ1mで1,000円くらいでホームセンターで売ってたはず。
ちょっと細いので2~3本を束にすればイケルんじゃね?
とりあえず復元してみる。
見た目は大丈夫そう。
要は燃料タンクからガソリンを毛細管現象で吸い上げられれば良いだけだし。
5)試運転
分解したパーツをいろいろと復元し、燃料をタンクに入れて漏れの確認。
大丈夫そうなのでプレヒートからの試運転を開始。
さあ燃えろ!
はいOKです。
昼間なのでセラミックが赤く光って見えないけれど、この後おNEWのテントの検品とか試し張りをして2時間ほど消えずにいたので問題ないでしょう。
6)総括・対策と予防法
原因は継続的な赤ガス使用によるウイックの汚れですね。
構造自体は簡単なので工具があれば分解清掃は難しくありません。
ただしコールマン純正やサードパーティー製の互換部品などの補修部品の入手が極めて困難です。
清掃が困難だったり部品を破損させた場合は、代用できる材質、形状の部品を探して加工するなりしなくてはなりませぬ。
予防法としてはコールマン純正の白ガスを使い、赤ガスの使用は控えるくらいしか思いつきませんが。
私はこのまま赤ガスを使い続ける気でいます。
白ガスめっちゃ値段が高い上に、キャタリックヒーターはアメ車なみに燃費が極悪・・・
最後に。
こんな感じでプレヒートできるのに火が消えちゃう。
火力が弱くなった気がする。
ビンテージ物を手に入れたけれど使い物にならない。
等々、お困りの方は一度点検してみてはいかがでしょう?




















