学校スポーツの世界で、今一番の問題となっているのは『暴力』という2文字

文部科学省が定義する暴力とは

「「暴力行為」とは,「自校の児童生徒が,故意に有形力(目に見える物理的な力)を加える行為」をいい,被暴力行為の対象によって,「対教師暴力」(教師に限らず,用務員等の学校職員も含む。),「生徒間暴力」(何らかの人間関係がある児童生徒同士に限る。),「対人暴力」(対教師暴力,生徒間暴力の対象者を除く。),学校の施設・設備等の「器物損壊」の四形態に分ける。ただし,家族・同居人に対する暴力行為は,調査対象外とする。
なお,本調査においては,当該暴力行為によってけががあるかないかといったことや,けがによる病院の診断書,被害者による警察への被害届の有無などにかかわらず,次の例に掲げているような行為と同等か又はこれらを上回るようなものを全て対象とする。」としています。

スポーツに暴力は必要ありませんね。

もう一つスポーツ界で問題となっているのは、勝利至上主義の問題です。

勝負の世界、目標は優勝すること。これは正しいと思います。

では、何が問題となっているのかを、ひとり一人が冷静になって考えてみることです。

勝利至上主義とは、スポーツ競技などで、相手に勝つことを絶対的な目標とする考え方の事を言います。

これは全く悪くないのです。試合というものがあれば、当然勝ち負けがあってあたり前です。

ただ、勝つことが正しいとか、負けたら全てを否定する??という考え方は間違っています。

それは、万民が十分に分かっていると思います。

負けても、楽しかった!! あのチームとゲームが出来て面白かった、楽しかった!!と誇らしげになる事が正しいゲーム方法です。

日本の子供達と外国の子供達がサッカーのゲームをしたとき、日本の子供達は負けて泣きます。それを見て外国の子供達は、抱き寄せて、「君たちは、素晴らしいゲームをした」と日本の子供達を慰め、励ましている様子を見たことがあります。

スポーツにあるジュニアの育成とは、勝ち負け以上に、そのコミュニケーションを育むためにおこなうものです。

では、至上勝利主義の何が問題なのか??というと、中学や高校の部活動においては、行き過ぎた指導や長時間の練習による生徒への影響、暴力・体罰の発生による弊害などが問題となっています。勝利至上主義が問題ではなく。ここから発生する暴力と体罰が問題だと言われています。

 

もう一つは、保護者が勝ち負けに異常な興奮を味わっている!!という事です。

また、勝ち続けることで、進学の優遇や、特別の待遇にこぞって競い合うのは、子供達ではなく、実は親御さんである!!という事です。

実は、ここにも、指導者の体罰・暴力が大きく関わってしまう原因もあるように感じます。

保護者の皆さんは、知らず知らず絶対勝利という御輿を担いで、指導者を祭り上げて、卒業すれば「今だから言うけど・・・実はあの指導者ね・・・」という、噂話も数多く聞きます。

また、暴力を注意されたスポーツ指導者が、立場を追われて指導者の地位から退いても、勝ちたいから保護者が嘆願書を集めて学校や協会に異議申し立てを起こす??なんて話しもよく聞きます。

これは、政治家が悪い事をして、法で罰せられ牢入ったのに選挙で勝てば、また政治家をする??のと何ら変わりません。

 

現在(財)日本スポーツ協会としても、全力で指導者の暴力追放に真剣に取り組んでいます。

是非、地域でも、自治体でも、保護者の皆様も、一緒になって取り組んでほしいと思います。

みんなが真剣に取り組めば・・・必ず結果は現れると信じています。