不覚にも新型コロナに感染し、軽症ながら3週間以上入院したので、闘病記を記そうと思う。
全体を総括して言いたいことは、2つ。
(1) 新型コロナの「軽症」は決して軽症なんかじゃない!これまでかかった病気の中で一番苦しくて長かった(1ヶ月以上!)
(2) 入院出来て本当にラッキーだった!自宅療養って、医療的には「放置」だ。もし、自宅療養が続いていたら確実に重症化していたし死んでたかも知れない。
以下、時系列的に記述する。
1日目:1/7 (木)
会社でヤケに身体が重くダルさが半端ない。帰宅して熱を測ったら、夕方7時37.5℃が21時には38.5℃へ。
37℃以上の発熱は1年ぶりだったのでコレはおかしい。
2日目: 1/8(金)
Googleで探して歩いて行ける近くの発熱外来のある病院に行く。
(後で知ったが、この病院はダイヤモンドプリンセス以来新型コロナの患者を受け入れている治療に実績のある病院だった。この事がとてもラッキーだったことが後で分かる。)
病院では、問診、血液検査、胸のレントゲン検査、CT検査の後、医師の診察を受けた。炎症反応が強く肺に2カ所新型コロナ特有の陰がありどうやらコロナらしいと言うことでPCR検査を受けた。結果は明後日、電話で知らせるとのこと。
(それまで知識として聞いていた「PCR検査は確定診断に使う」とはこう言うことだったのかと納得した。)
処方箋をもらい、待合室が隔離された門前薬局で薬をもらう。風邪の時と変わらぬ解熱鎮痛剤や痰や咳止め、抗生物質。PCR検査の結果は明後日でまだ新型コロナとの確定診断前なので、ある意味当然か。
3日目:1/9(土)
熱は37℃台前半、咳と痰が出るが普通の風邪程度。処方薬が効いているのかも知れない。
4日目: 1/10(日)
熱(37℃台前半)と咳と痰に加えて、ダルさと腰の痛みが半端無い。
病院からPCR検査陽性の連絡があり保健所の指示に従うように言われた。
保健所から電話があり、病状を聞かれる。入院・療養施設を探しているが中々見つからないと言われた。感染症法の規定で外出は禁止、食料品の買い物は親族友人に頼むかネットスーパーを利用するように言われた。
なお、テレビを見ていたら、神奈川県のある自治体では、自宅療養者に食料の詰め合わせと酸素飽和度を測るパルスオキシメーターの貸し出しをやっているとのこと。東京都は何にも無し。調べたらいくつかの区では食料送付やパルスオキシメーターの貸与を行なっているがまだ一部に止まっているとのこと。
小池さんしっかりしてよ!こう言う時のために多額の都民税区民税を払っているんだから。
5日目:1/11(月)
症状は風邪程度を維持。保健所からは朝夕電話がかかり病状を聞かれて、まだ病院・施設が見つからないと言われる。
6〜8日目:1/12(火)〜1/14(木)
熱が38℃台に上がる(最高38.6℃)。病院で処方してもらった薬は7日分だったので、薬が無くなる。しかも、家から一歩も出るなと言われているので病院にも行けない。保健所からは相変わらず、朝夕、病状を聞く電話がありまだ病院・施設が見つからないと言われるだけだった。
薬も無くなり病院にも行けず勿論往診にも来てくれない、医療的には「放置」されている状態。
熱は39℃にドンドン近くなるし咳も痰も酷くなってくる。熱のせいで食欲が全く無くモノが食べられない。体力と気力の限界だ。
1/14、保健所からの電話の際にこの窮状を訴えて、初診の病院に歩いて行くので何とか再来で診てくれるように病院に頼んで欲しいと保健師さんに強く依頼。同時に病院にも直接、再来を希望する旨電話。
数時間後、病院から電話があり防疫対策をした車を回すのでそれに乗って病院に来るよう指示あり。
病院で、血液検査、レントゲン、CT検査。医師から入院した方が良い状態だ、調整してみると言われたが、結局、ベッドに空きが無いと言う事で、入院は不可。ただ、新型コロナ治療に対応した薬をもらい、4日後の予約をして帰宅。
新処方してもらった薬が兎に角良く効いた。その日の夕方には数日ぶりに熱が36℃台に下がり気分が良くなり食欲も出て来た。考えたら、新型コロナに感染したことを前提にクスリを処方してもらったのは初めてだ。調べたら、抗炎症薬(ステロイド)が新たに処方されておりコレが効いているらしい。
9日目〜11日目: 1/15(金)〜1/17(日)
1/15は終日36℃台で気分は良く食欲もあったが1/16は38℃台半ばまで発熱、1/17昼には39.4℃まで発熱し咳も痰も出て耐えられなかったので、予約の1日前だったが病院に電話、診て貰えることとなった。クスリを飲んだら熱が37℃台に下がったので歩いて行った。
病院では、血液検査、レントゲン、CTを撮り医師の診察を受けたが、病状は悪化しており軽症ではあるものの入院を要すると言うことで、今日はベッドに空きがあると言う事で入院出来ることとなった。
ちょうどこの頃から、感染者の急増で医療施設が逼迫しており、入院・療養先が決まらずに自宅療養を強いられる人が東京都だけで7千人おり、容体の急変で突然死したり救急車の受け入れ先を探すのに何時間もかかる例がニュースで報じられるようになっていた。自分の場合には上記の経緯で運良く入院出来た訳だが、もし入院出来ず自宅療養のままだとしたらと思うとゾッとする。
何回も書くが、自宅療養は医療的には放置だ。最初に発熱外来で処方される薬は普通の風邪対応の薬だ。PCR検査の結果は翌日か翌々日にしか出ないから、処方される薬は普通の重めの風邪対応の薬にならざるを得ず、咳や痰や解熱剤や抗生物質はあるが、新型コロナ治療に不可欠な抗炎症薬(ステロイド)が処方されていない。しかも、1週間分しかない。
新型コロナは最初の1週間は症状は軽く、重くなる人は1週間を過ぎた頃からだがちょうどその頃に薬が無くなる算段だ。
勿論、新型コロナの感染者の8割は無症状か一般的な軽い風邪症状で済みそのまま治る。しかし、東京都で入院療養先が決まらない人が7,000人居た時は、その2割、即ち、1,400人は自宅で、薬も無く、医者にも行けずに、ただ保健所からの1日2回の電話に答えながら、高熱や咳や痰やダルさや肺炎による胸の痛みに耐えていたと考えられる。医療を必要としている人が医療サービスを全く受けられない訳でこれはもう医療崩壊の一形態だと思う。
自分は、ラッキーにもその1,400人から抜け出して入院出来たのは本当に運が良かったと思う。
感染12日目(入院2日目) =1/18(月)
〜感染34日目(入院25日目) =2/9(火)
→都合、3週間と4日も入院した訳だが、病院の看護師さんと医師に完全にお任せ状態だったので日毎に記すことはあまりない。特徴的なことを書く。
・「軽症」の分類だったし入院して医療的にはフルサポートを受けていた(例えば、血中酸素飽和度と心電図をモニターする機械を付けてナースステーションで24時間監視されていたし、症状に応じて投与する薬も変えて処方された等)。
それでも、中々症状が改善しなかったし突然の発熱や新規の症状に見舞われるなど、退院前の5日間をのぞけば、とても苦しい入院だった。これを表現するのに「軽症」と言うのは日本語的に正しくないと思うほどだ。
・新型コロナで死ぬ人は大抵肺炎が悪化して死ぬので肺炎がそれほど酷くない人は「軽症」の分類になるのかも知れないが、自分でも鼻から酸素を補給しないと酸素飽和度が90未満になり胸が苦しい期間が相当続いた。これが中等症とか重症者になるとどれだけ苦しいのか想像もつかない。
・クスリは、アビガンを朝食後と夕食後、4錠ずつ処方された。主治医によるとこの病院では150例以上の投与例があるが殆どの人に効果があり深刻な副作用も無かったとの説明があった。
・それ以外の薬は、抗炎症薬(ステロイド)と抗菌剤が主だったが全て点滴投与。1剤投与に1時間かかり2時間かかるのも1つあり、多い時期には、6種類の薬を7時間かけて点滴投与された。
点滴の針は2日に1回は差し替えなければならず、血管が目立たないたちなので、針刺しを失敗されることも多く、性格が良くてよく気の付く看護師さんが針刺しが下手なのには閉口した。
・入院中40℃の熱が出たことが3回あったが、その内1回は熱が上がる前に全身の震えが1時間に渡って続き、酸素マスクを付けながら声を上げて震え続けたのは人生初めての苦しい経験だった。
・それと、薬剤の多剤投与で免疫力が低下したため、舌と口内が細菌やウイルスに感染して炎症を起こしてタダレたようになり約5日間にわたりものが殆ど食べられなかった〜熱いもの、しょっぱいもの、甘いもの、等々が痛くて食べられず、冷やしたお粥と高栄養ゼリーと牛乳で何とか栄養を補給した〜のも初めて経験した苦しみだった。ま、味覚や嗅覚に異常がなかっただけ良しとしよう。
・病室は、軽症者が入るコロナの一般病棟の4人部屋だったのだが、咳や痰が止まらず一晩中苦しむ人、高熱にうなされる人、ナースステーションからのモニタリングで血中酸素濃度が急速に低下して看護師さんがパタパタとやって来て酸素吸入など緊急措置をされてる人などがいて(自分も時にその一人だった)、少々大袈裟に言えば阿鼻叫喚の世界だった。
・ICUから回復して軽症病棟に戻って来た人が「(看護師の)○○さんはどうしたの?」と聞いたのに対して、「あ、彼女コロナになっちゃって今自宅療養中なんだよー」と言うやりとりが普通に行われていたのを聞いたのは、医療従事者のリスクを実感し感謝した瞬間だった。
○ 退院後(2/10以降)
不思議なことに、コロナの病棟には体重計が無い。体温や血圧は毎日2回測るし、レントゲン撮影も1日おきにやるし、血液検査は1日おきにやるし、血中酸素や心電図は24時間監視するのに体重はチェックしない。体重って素人が思うほどには医療的にはあまり意味が無いのかな?
退院後体重を測ったら、入院前と比べて6Kgも減少していたのには驚いた。入院中寝てばかりいたため足の筋肉が衰えたためだろう。
退院後5日後に確認のため病院に行き、血液検査とレントゲン検査の上、主治医の診察を受けた。それによると炎症反応はゼロ、その他の指標も正常値、退院時実施のPCR検査は陰性ということで治っている、会社にも普通に行ってよい、生活もコロナ感染前に戻ってよいとのお墨付きを得た。
であるが、後遺症的にはちょっと歩くと胸(肺)が何となく苦しくなる。軽症だとは言え、肺の一部が新型コロナ肺炎にかかっていた訳だし肺は再生しない臓器なので、少しとは言え肺胞がやられているので当たり前な症状ではあるが、心配なところだ。
入院していた病院では退院した人を対象に、新型コロナフォローアップ外来と言うのがあり、定期的にそこに行くことになるので最近話題の後遺症についてもそこで相談出来るとのことなので安心だ。
なお、ワクチンの接種について、感染者もする必要があるかを厚生労働省のワクチンテレフォンサービスに聞いたところ、接種する必要があるとのことであった。
以上が、新型コロナ入院・闘病の顛末であるが、今は、とにかく、もう新型コロナは懲り懲りだと言うのが正直なところ。
会社の同僚などは、もう免疫や抗体が出来ているのだから無敵だねと言う人もいるが、新型コロナに2回罹った人もいるし抗体がどれだけ存続するかもまだ未知のウイルスなので、とにかく、危ないところには近づかないようにしようとの気持ちが先に立つのが正直なところだ。
従ってオタ活も、多分、医療的には免疫や抗体が働いて問題がないはずだが、気持ち的には全然現場に行く気がしない。
P.S.
退院して数日経った頃、保健所からお手紙が来た。
入院勧告書と医療費公費負担通知書だ。
感染症法に基づき、入院した1月17日から治るまで入院を勧告すると書いてある。退院してから送りつけられてもなんだかなあと思ったが保健所は超忙しいので実務ではこんなものだろう。
今般、国会で感染症法の改正が大きな問題となり、入院の指示に従わない患者に懲役刑や罰金を課すかどうかが与野党間のイシューになり結局、過料(行政罰)に止める改正内容となった。
ただ、多分現場では、改正内容に関わらず、患者が退院した後に、入院の指示やら従わないと過料に処する旨の指示書が送られて来ると思う。懲役だろうが罰金だろうが過料だろうが関係ない世界だ。
これに比べ、医療費の公費負担の通知書はありがたかった。入院自体が、本人の意思では無く感染症の蔓延防止のため行政の勧告に従って入院したのだから入院費も公費で負担するとの論理らしいが、理屈はどうあれ無料で入院出来たのは良いことだ。
退院の際3万円近く払ったので、そのうち、タオルやパジャマの借り賃やジュースなどの飲み物の個人消費分を除き、2万数千円も戻って来るのはありがたい。