最近、ちょっとした理由で、とある立ち飲みの店に行くようになりました。
この店では、終始有線放送と思われる音楽が流れていて、恐らく1970年代をメインとする日本の歌謡曲がかかっているので、私は密かに「懐メロ立ち飲み」と呼んでいます。
中には、すぐに誰の何という曲か判るものもあれば、聞いたことはあるもののなかなか思い出せない曲、歌手名は判るけど曲名が判らないものやその逆のもの、たまに聞いたことも無い曲が流れることもあります。
聞いたことが無い曲の場合はギブアップですが、そうでない場合は、その曲名と歌手名を思い出そうとしながらホッピーを飲むのが、何となく楽しみになったりしています。
だんだん記憶が蘇って、両方とも正解に辿り着けたりすると、ヘンな達成感でつまみがより美味く感じるのです。
そして先日、入店した時に流れていたのは、「スプリング・サンバ」でした。
これは曲名はすぐに出たのですが、歌っているのは何故か「新田恵利」だと思ってしまったのです。
おかしいなあ。この店で流れる曲にしてはえらい新譜だなあ。と思ったのですが、正しくは「大場久美子」でした。
続く2曲目。若い女性の歌声です。ポップな感じ。
明らかに聞いた記憶はあるのですが、曲名も歌手名も思い出せないのです。
ところどころ歌詞にも覚えがあります。
最後の歌詞が「似た者同士」だったので、これが曲名だったかな?と思い、調べてみたのですが、ヒットしません。
ちなみに、3曲目は「吉田拓郎」の「旅の宿」で、これは曲目が思い出せないパターンでした。
家に帰ってWebで検索するというインチキはしたものの、この日の曲は2曲目以外、歌手名か曲名は思い出すことが出来ましたし、結果的に全て特定することが出来ました。
そうなると、2曲目が全く判らないのが、妙に悔しいのです。
でも、メロディも他の部分の歌詞も忘れてしまったので、どうにもなりません。
仕方なく諦めました。これが水曜日の夜のことです。
その2日後の金曜日の夜、布団の上でそろそろ眠ろうかと目を閉じてウトウトしていた時、急にこの曲のサビの部分の歌詞とメロディが頭の中に甦ったのです。
「どこから来たの 遠く 遠く どこまで行くの 遠く」
忘れてしまったことを必死に思い出そうとしている間は全く出て来ないのに、諦めて全く別のことを考えていると、ふと答えが浮かんでくる、というあの現象です。
調べなきゃ!と思い飛び起きて検索しました。
正解は「荒木由美子」の「渚でクロス」でした。
ああ。流石にこれは出ないな。「荒木由美子」はまだしも、「渚でクロス」は出ない。
「荒木由美子」のデビュー曲だったんだな。
あの年の新人はかなり粒揃いだったからな。
清水健太郎。狩人。高田みづえ。清水由貴子。この辺りがみんな同期なんだよ。
そう言えば「懐メロ立ち飲み」の店でも、「狩人」の「あずさ2号」と「清水由貴子」の「お元気ですか」はかかっていたな。「お元気ですか」は2回かかった。
それに比べると「高田みづえ」はまだ聞いてないな。「硝子坂」か。いい曲だった。
そう言えば「硝子坂」って、もともと高田みづえのために書き下ろされた曲じゃないんだよな。
「木之内みどり」のアルバムに含まれていた一曲だったんだけど、それを高田みづえに歌わせるためにアレンジしたんだよな。
そうだ。木之内みどりの「硝子坂」ってYouTubeで聴けるかな。
ふむふむ。やっぱりちょっと雰囲気違うんだな。でもいいじゃないか。
別にファンでは無かったけど、独特な雰囲気のある人だったよな。綺麗だし。
おれ、竹中直人くんのファンなんだけど、嫁さんが木之内みどりってのだけはちょっと納得行かないんだよな。
美保純だったら全然許せるんだけど。
竹中くんが「デカメロン」って深夜番組をやってた時に、赤坂あたりでライブイベントがあってそれを観に行ったんだよな。
そしたら、小学生くらいの女の子が観に来てて、ちょっとデコが広いところが竹中くんに似てるんだよ。
そう思うと面差しも竹中くんに似てる。
さてはあれは竹中くんの娘さんだな。竹中くんにそっくりじゃないか。嫁さんが木之内みどりである意味がないじゃないか。
そんな風に思ったことがあったな。実際には人違いだったみたいだけど。
まあいいや。寝るか。
なんていう風に、特に寝る前などは、人が考えることというのはふらふらと浮遊していろんな方向に行ったりするもんですよね。
単にそれだけの話でした。
おしまい