「12人の優しい日本人を読む会」(YouTube)
「12人の優しい日本人を読む会」(JIMDO)
「12人の優しい日本人」は、1990年初演の東京サンシャインボーイズの代表作であり、最高傑作でもある舞台作品です。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う活動自粛によて、コンサートや舞台などの仕事に携わる方は、非常に大きな影響を受けているものとお察しします。
そんな中、近藤芳正さんの声がけにより、zoomを使用したオンラインでの配信が実現しました。
5/6の14時~前編、18時~後編が生配信されたのですが、残念ながらその時はこの情報を知らなかったため、生配信での視聴を楽しむことはできませんでした。
それでも、期間限定(暫定で5月中)YouTubeでこの配信を視聴することができるようにしていただいます。
こんな有難い話はありません。
東京サンシャインボーズの元メンバーを初めとして、オリジナルに近いキャストが集まっているのです。
本当の舞台ではなく、オンラインで「読む会」ですから、舞台で観るのに比べると臨場感は伝わりにくいかもしれませんが、それでも、このメンツでの「12人の優しい日本人」が二度と観られるとは思っていませんでした。
不謹慎な言い方かも知れませんが、新型コロナウイルスの影響によって、こんな体験が出来るなんて、有難いとすら思ってしまいました。
私は、初演と再演の舞台を直接観ていますし、映画や第4演のDVDを持っていますので、舞台上の動きなど、今回の配信でリアルに判らない部分も、記憶やイメージで埋めることが出来ます。
この芝居を全く知らない人にとっては、そういう補完ができない分、本来の楽しさを十分に味わうことはできないのかもしれません。
でも。そういった条件を差し引いても、この配信は、観られるうちに観ておくべきです。
もうこんなチャンス、二度と無いですよ。
私も、1回観終わった後、少しおいてもう1度観てみました。
ちょっと残念だったのが、陪審員3号の阿南健治さんと、陪審員4号の小林隆さんの役が、私が観た初演、再演とは逆に入れ替わってしまっていた点です。
Wikipediaを見直したところ、三演の時からこの配役は入れ替わっていたことが判りました。
小林さんのあのセリフ、聞きたかったなー。もう絶品なんですよー。
また、今回の配信で守衛役を演じられている小原雅人さんは、確か陪審員1号を演じられていた記憶があったのですが、こちらも三演で、今回の甲本雅裕さんに交替されていたようです。
何と言っても東京サンシャインボーイズの看板役者、陪審員2号の相島一之さん、陪審員7号の梶原善さん、陪審員9号の西村雅彦さんの共演が観られるのは夢のような話です。
ここでちょっと失礼ながら、率直な感想も書かせていただくと、西村雅彦さんと相島一之さんはかなりベテラン感が出て、私が観ていたころのテンポや躍動感のようなものは、少し落ち着いたように感じました。
これに対して梶原善さんは、当時の舞台と比べてもあまり変わっていないように思いました。西村さんが、台詞を飛ばしたところをフォローされたりもしてましたし。
私、この舞台では、梶原善さんが演じる陪審員7号が一番好きなんです。
「そうそう!その通り!」と感じる台詞がたくさんあって。
オンライン配信という普段慣れない環境ながら、他の役者さんの頑張りもあって、大変楽しく観させていただきました。
素晴らしい体験をさせていただいた皆様に深く感謝します。
そしてもう一度言います。
この配信は絶対に観ておくべきです。
演劇が好きとか映画が好きとかに関わらず、人であれば是非。
おしまい