2020年のゴールデンウィークは、私も例に漏れず、外出を出来るだけ控えていました。

少し前にAmazonプライムの会員になっていたので、Amazonプライムビデオで「ワカコ酒」とか「めしばな刑事タチバナ」などのドラマを観たり、映画では「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」「トゥーヤング トゥーダイ」「ザ・マジックアワー」なども観ました。

「ザ・マジックアワー」は2008年の三谷幸喜監督作品で、梶原善さん、阿南健治さん、甲本雅裕さんなどの東京サンシャインボーイズのメンバーも出演されています。

この映画を観終わって、三谷幸喜さんの撮る映画は、舞台作品を映画化したものよりも、映画のために書かれたものの方が面白いなあ、と改めて感じました。当たり前ではありますが。

で、久しぶりに舞台の方も見直してみようと、思った訳です。

眠りラクダのはじける音」でも紹介しましたが、2016年5月に、それまでNHKの「芸術劇場」で放映された「ラヂオの時間」「ショウ・マスト・ゴー・オン 幕を降ろすな」「東京サンシャインボーイズの罠」の3作品がDVD化されて発売されました。

このうち「ラヂオの時間」は映画化もされていますので、観たいと思った人は映画版の方を観てしまうでしょう。

「東京サンシャインボーイズの罠」はダブルキャストでしたので、主要メンバーの半分しか観ることが出来ません。

で、「ショウ・マスト・ゴー・オン 幕を降ろすな」を観直してみることにした訳です。



もちろん、この作品のDVDは現在でも販売されていますので、安くはありませんが、是非購入して観てみて欲しいと思っています。

なので、ネタバレは良くありませんし、でも観たいと思うように紹介するのはなかなか難しいものです。

まず、この作品についての情報をひも解いてみると、初演は1991年の下北沢本多劇場だったそうです。

DVDは1994年の再演時のものです。

初演時と再演時とのキャストの変更点は、大きく3つ。

初演では、梶原善さんが演じられていた座長役を、佐藤B作さんが演じられています。

そして、宮地雅子さんが演じられていた女性スタッフの役を演劇集団円の高橋理恵子さんが演じられており、宮地さんはDVD版には出演されていません。

そして、小原雅人さんが演じられていた凄腕の小道具師の役を梶原善さんが演じられており、小原雅人さんは、確か初演の時には設定の無かった座長の愛人役を演じられています。

座長役は、出番もセリフも少ないので、初演の時は梶原善さんの活躍があまり観られないのを残念に思った記憶がありますが、「12人の優しい日本人」の映画の撮影中だったためだそうです。

座長が主役を演じる「よろずマクベス」という舞台を、途中で幕を降ろすことなく継続させるために、繰り返し起こるハプニングを、裏方やその他の人々が協力して解決していく、というストーリーです。

三谷作品の特長である伏線の張り方の妙、役者をイメージしたあてがきによるセリフの面白さ、そして、舞台監督を演じる西村雅彦さんの、他の役者さんには出来ないような演技が存分に楽しめる作品となっています。

東京サンシャインボーイズのもう一人の看板役者である相島一之さんは「よろずマクベス」の台本の元を書いた作家を演じられています。

ちょっとヒステリックで、キモさを感じるキャラクターを見事に演じられていて、相島さんの演技力の一端を感じることもできます。

ただ、この作品だけを観て、こういう役者さんなんだ、と思ってしまうとちょっと違いますので、そこはご注意ください。


梶原善さんは、初演の時よりは、らしい役のように思いますが、それでも出番やセリフが少ないのが残念です。

ふと思うと、東京サンシャインボーイズが解散したのが1994年。

その30年後に「老境サンシャインボーイズ」として復活し、「リア玉」が上演される2024年も、それほど先のことでは無くなって来ました。

ただ、舞台監督の助手を演じられている伊藤俊人さんは、残念なことに亡くなられてしまいましたし、本当にメンバーが再結集したとしても、この頃のような作品とはまた違ったものになるでしょう。

本来であれば、舞台は劇場で観るものです。

初演、再演ともに劇場で観た私でも、DVDで観るとちょっと違和感を感じるところもありますし、逆に役者の表情が良く判って、客席からでは判らなかった部分が見えたりするところもあります。

いずれにしても、東京サンシャインボーイズの舞台を臨場感を持って観るための選択肢はかなり限られています。

舞台作品の映像を、ちゃんとしたDVDのパッケージ製品で手に入れておける劇団はそれほど多くありません。

演劇が好き、演劇を観てみたい、と思っている方であれば、入手しておいて損は無いと思います。

そして是非、好きな誰かと一緒に観てください。

相手の方と、笑いのツボが合致するかどうかが、良く判ると思います。

 

と、ここまで書いて、別の方のブログを見ていたところ、こんな情報が見つかりました。

 

『12人の優しい日本人』をオンラインで生配信!

 

こんなのやってたなんで、全然知らなかった。。

 

凄いショック。。

 

でも

アーカイブを残すことになりました。期間限定(暫定で5月中)ですが、後日でもご覧いただけます。

だそうです。

 

みなさん、絶対観てください!!!こんな機会、二度とありませんよ!

 

そして、演劇関係の方も今、大変なご苦労をされている業種のひとつだと思います。

 

是非、応援してあげてください。

 

おしまい

 

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