ぼくの毎日の出来事を淡々と綴るということ。 -16ページ目

外に出るとやはり雨が降っていた。小ぶりでもなくどしゃぶりでもない普通の雨。それは言い換えるならば、もっとも濡れる雨と言える。そんな雨が降っていた。

そんななか僕は歩き出した。しかし傘は差さなかった。あえてささないと決めたのは彼女が遠くの隅っこに見えたからだ。彼女にぼくは雨でも傘は差さないのだと知ってほしかった。そういう男だと思ってほしかった。それに男らしさや勇ましさをより見せるために僕は堂々とあたかも雨なんて降っていないのだと思われるように歩いた。それで僕は十分だった。たとえ彼女になんで傘をささないのと言われなくても別によかった。もっと言えば彼女に見てもらえていなかったとしても。彼女にそう思われているんだと自分が感じていればよかったのかもしれない。その点でぼくは自分がとても好きなのかもしれない。彼女に、雨の中傘をささないなんてすごい人だわ、と思われているおれ、が好きなのかもしれない。

そんなことを考えながらぼくは会社を出たのだった。そして家に帰って寒気がして次の日以降鼻水をすすることになった。