長い期間にわたって多量のお酒類を継続して飲み続けたことが原因で発症する、アルコール性認知症。脳の機能にかかわる障害です。アルコール性認知症の具体的な症状は、以下のようなものがあります。
アルコール認知症は、身体的症状・精神的症状がありますが、アルコール依存症の症状と共通する部分があります。身体的症状では、歩くときにふらつく、手が震えるなどの症状が多くみられます。その他、記憶力の低下や物忘れが起こります。例えば、日常生活で必要な情報や約束事を忘れたり、同じ話を何度も繰り返したりします。また、注意力や集中力も低下します。話を聞いたり読んだりするのに集中できなかったり、気が散ってしまったりといったことが起こります。
精神的症状では、感情の不安定さや気分の変動が目立つようになります。例えば、怒りやすくなったり、落ち込んだり不安になったり、うつのような症状が特徴です。人格や性格の変化が起こる場合もあります。以前とは違う言動や態度をとったり、自分らしさを失ったりすることで、周囲からは、人が変わったようだと驚かれるケースもあります。社会的な適応力やコミュニケーション能力も低下し、人と関わることに抵抗を感じたり、孤立したりするため、アルコール認知症と診断されるのが遅れがちになってしまうという問題があります。
アルコール性認知症は通常の認知症とは異なり、急激に進行する場合があります。進行すると回復が困難になるため、早い段階で診断を受けて治療を開始することが大切です。
アルコール性認知症の患者は、自分の行動や言動に責任を持てなくなり、介護者に対して暴言や暴力をふるうことがあります。このような場合は、以下のような対応を心がけましょう。
まず、物理的な距離を取ることが大切です。暴力的な行動に巻き込まれたり、怪我をしたりする危険がありますので、安全な場所に移動します。また、暴言を浴びせられても、反論したり、感情的になったりしないように注意しましょう。相手の言葉は病気のせいであり、本心ではないと考えることが必要です。感情的な距離を取ることで、自分の精神的な負担を軽減することができます。
次に、原因を理解することも重要です。アルコール性認知症の患者は、自分の状況や周囲の環境に対して不安や恐怖を感じていることが多く、それが暴言や暴力の引き金になっていることがあります。例えば、見知らぬ人に会ったり、慣れない場所に連れて行かれたり、自分の思い通りにならなかったりすると、パニックに陥ったり、攻撃的になったりする可能性があります。そのような場合は、患者の気持ちを落ち着かせるために、優しく声をかけたり、親しい人や物を見せたりすることが効果的です。
そして問題を介護者だけで抱え込まずに、必ず専門家に相談しましょう。アルコール性認知症は治療が難しい病気ですが、医師や看護師、ケアマネージャーなどの専門家の支援を受けることで、症状の改善や予防が期待できます。また、介護者自身もストレスや孤立感を抱えやすいため、心理的なケアや相談が必要です。専門家に相談することで、介護者自身の健康や生活の質を保つことができます。
