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usatami♪タクミくんシリーズ二次創作小説♪

タクミくんシリーズの二次創作です。
usatami のこうだったらいいのにな~♪を細々と綴っております(〃ω〃)
覗いていただけてら嬉しいです(’-’*)♪

打ち付ける強さに身を竦ませた。
凍えるような冷たさに震える指先をきつく握り締めた。

突然に降りだした豪雨。
誰もが慌てて雨を凌げる場所を探し求め駆け出していく中、僕は一人立ち尽くす。

激しい雨粒が滝の如く降り注ぐ。
バケツをひっくり返した様な雨とはまさにこの事だろう。

ギイを失って。
失ったことを理解したくなくて。
僕の心はあの日からずっと立ち止まったまま。

君がいなくて。
何も見えなくて苦しい。

ずぶ濡れの身体をきつく抱き締める。

君に会えないのなら。
僕が存在する意味はあるの?

何度も繰り返した問いが、また繰り返される。




だけど。
君に会いたい。
会って伝えたい言葉がある。

ーーーだから、諦めない。

どんなに時間が掛かっても。
例え君が僕のことなんて忘れてしまっていたとしても。
それでも伝えたい言葉があるんだ。



激しく打ち付けてくる雨の中、凍えた拳を握り締めた。
決して諦めない。
ギイ、君に会えるまでーーー






あれから幾年かの時が流れた。


僕は今、柔らかな雨を受け止める。
ただただ、穏やかにーーー

「託生、濡れるぞ。」

言って肩を抱き寄せてくる力強い腕に小さく笑む。

「小雨だよ。」

あの時の豪雨とは違う。
何もかも消し去るような、打ちのめすような・・・あの雨とは。

「それでも。濡れちまうだろ?」
細やかな雨のヴェールから守るかのように抱きくるめられて温もりに包まれる。

あの時は感じられなかったーーー永遠に失ってしまったかと怯えたそれに包まれて、僕はほぅ、と息を吐く。

君がいる。
僕の傍に、君がいる。

それだけでなんと満ち足りることか。

「・・・ギイ、もう少しだけこのままでいて。」
僕の願いに顔を顰めるギイ。
だけど僕の顔を覗き込んで小さく溜め息を吐いた。

「いいぜ。けど、帰ったら温める。いいな?」

温める、その手段までは口にしなかったけど。
ギイの瞳を濡らす欲情の色に予想がついてしまう。
それはむしろ望むところで。

「・・・・うん。」
恥ずかしさに声が掠れてしまったけど。
それでもしっかりと頷いた。

熱い頬をギイの胸に擦り付ける。
と、頭上から呻き声が聴こえた。
どうしたのかと顔を上げればギイの濡れた瞳とぶつかる。
それから噛みつくようなキス。

「・・・・ん、っは、」
貪られ続けてようやく解放される。
はっ、は、と乱れる呼吸を整えもせずギイが苦しげに口を開く。
「ーーーもう限界だ。早く帰ろうぜ、俺たちの家に。」

差し出された掌。
大きなそれに躊躇うことなく手を重ねる。

「うん。」
帰ろう。
僕たちの家に。


ーーーあの雨の日の僕に伝えたい。
きっと望みは叶うから。
諦めないで、恐れないで。
ひたすらに前に進んで。
その先に希望が待っているから。

いつかこの日に追い付くまで。