昨日のブログを読み返して、

ふと、あることを思い出しました。


あれは私が幼かった頃・・・


まだ、小学校の二、三年生の頃だったと思います。


その日は学校行事の振り替え休日で、

平日がお休みでした。


休日はどこに行っても混んでますが、

こういう日って、どこか遊びに行くには

うってつけじゃないですか。


なので、母は私を浅草に連れて行ってくれたのです

ひゃっほぅ!


しかし、その日は朝からあいにくの雨。

でも、そんなことでせっかくの浅草行きは取りやめにはなりません。

雨天強行!


幼い私の、日ごろの行いがよかったせいか(笑)、

浅草に着いた時には、雨は上がっていました。

しかも、平日と、天気の悪さが重なって、人気がほとんどなく

なんだか、浅草独占状態。

振り替え休日万歳!!


一通りお店を見て遊び、人形焼も芋羊羹も買い、

残るは、浅草寺メインイベント・・・

鳩に餌やって蹴散らして飛ばす。


が・・・


鳩の餌を売ってる場所が、どこも閉まってたんですよ。

(今はそんな売り場は無いみたいですが、当時はあったんですよ~)

どうやら、平日だし、雨だし、人いないし・・・という理由で。


どうしても餌を上げたかった私は、

母と近くのコンビニ(らしきトコ)で、食パンを買い、

浅草寺でばら撒き始めました。


すると・・・


まぁまぁ、かわいい鳩さんたちが、

いっぱい飛んでくるじゃありませんか!


餌を撒く人間がいなかったせいか、

もぅ、面白いくらいに飛んでくる飛んでくる!

私が撒いたパンくずを、食べる食べる!

今日一番輝いてる娘を、母も暖かく見守る見守る!


調子に乗って、私は勢い良くパンをばら撒き続け・・・

ふと、あることに気づてしまったのです・・・


私の半径5mくらい、鳩で埋まってる・・・


そう。奴等は今日、今まで餌をもらってなかった。

そこに、バカな小娘がパンをばら撒き始めた。

結果。


鳩まみれ。


足元はもちろん、腕にも肩にも頭の上にも!

私の周りは鳩、鳩、鳩!!


こ・・・怖ぇ。


鳩に殺される・・・


そう思い、母に視線で助けを求めると・・・


母・笑ってる・・・


「あらあら、はるかったら。鳩たちにあんなに好かれちゃって。

 とっても楽しそうね。あかあさんうれしいわ

的な表情。


違うよ、おかあさんっ!!


あんたの娘、今、恐怖で身動き取れてませんから!!

そう叫びたいし、その場から走って逃げたい。

でも下手に鳩を刺激して、一斉に飛び立たれでもしたら、

ソレこそ、驚きで死んでしまう。


もはや、機械人形のように、

ただただパンを撒き続ける私。

ほほえましく見守る母。


もぅ、帰りたい。


そして最後の食パンに手が伸びた時、

金髪軍団(外国人観光客の団体)がやってきた。


彼らは私を見るなり・・・

「Oh!!」とか叫び、歓声を上げた。しかも、拍手まで。


・・・・・・・・はい?


まったくもって、意味がわからない私に、

数人の外国人が極上スマイルで近寄ってきた。

そして・・・


記念撮影会開始。


いったい何が彼らを喜ばせたのか?

彼らが何を言っていたのか?

まったくわかりませんが、


彼らは順番に私の隣に立ち、

思い思いのキメポーズをとって、

数枚の写真を撮って行きました。握手もされました。


ねぇ、なんなの?なんだって言うの?


そう思い母に視線を投げかけると・・・


母・やっぱり笑ってる・・・


「あらあら、はるかったら。外国の方々からも可愛がってもらって。

 インターナショナルな子ねぇ。うふふふふ

的な表情。


誰か助けてよ・・・


パンを撒きつくし、鳩から逃れた私は、

ちょっと半泣きになってました。

ぬかるんだ境内を歩きまくった鳩がとまった、腕や肩は泥だらけ。

髪の毛もぐちゃぐちゃ。

アノ恐怖体験・・・

大泣きしなかっただけでもえらいでしょう。


帰りはどうだったか覚えてませんが、

伊勢丹だかマルイだかで、

着替えのトレーナーを買ってもらったことだけは

しっかり記憶してます。


あの時記念撮影された写真は、

今もどこかの国の誰かのアルバムに貼られているのでしょうか?

「東洋の神秘!日本で見つけた、鳩遣いの少女!」

とか言う文句付きで・・・