バス停で永ちゃんのポスターを見る。
「永ちゃん、カッコイイ」っていう人多いよな。
スター。
私はいつもミーハーだったけど、いま、自分にとって「スター」はいない。
アイドルも、楽しそうって思うけど、あまり興味を持ったこともない。
人は特定の対象を自分の理想化として崇めるのだろうか。スターってなんだろう。
でも、自分の恋人を理想化して依存しているよりいいか、、。
私は八方美人だ。
誰の意見を聞いても、そうかもねって思う。
人は「お前はどっちの味方だ?」と突き詰めてくる。あなたの言うことも正しいし、あの人の言うこともわかるよ。
子どもの頃から「八方美人って何がいけないの?」って思ってる。
この人はすごくよくて、この人はキライ。
別にはっきりしてていいけど、
「理想化とこき下ろし」じゃないの?
昔から人の熱狂がこわい。
どんな「正しい」ことでも一元的な熱狂は、他者を許さない。
スケープゴートって、スターの反対なのかな。
人は生贄を必要とする、、
図書館に行かなくては。
図書館に、あやふやになった
スターの定義を探しに行った。
セネカの
「人生の短さについて」が目にはいる。
セネカ、時間の使い方について、めっちゃうるさいな。
この頃は立派な人物、有用な時間、そういうものが信じられていた。ていうか、今でも信じられている。ていうか、それを、信じる人が生きやすい社会だ、おそらく。
セネカは「自分のために時間を使え」という。人は誰かのために金は使わないのに、時間は使う、と。
最近ある「使われるより使う側になれ」みたいなやつ?
時間の無駄ってどういうことかな。
時間に無駄ってあるんだろうか。
もし、自分が何かやりたいことがあった場合、それ以外のものは無駄になるのか。
時間の使い方といえば、最近でいえばムヒカ大統領。「みんな、お金と引き換えに時間を売っているけど、大切なのは時間だ。家族や大切な人との時間だ」というようなことを言っていて、これは忙しくてあまり子どもの相手をできないお父さん・お母さんなどには、胸にささる言葉だと思う。
子どもはいないが、私も大切にするのはお金ではなく、人であるという考えには賛成だ。
ムヒカ大統領の話を聞いた時、ミヒャエル・エンデの『モモ』を思い出した。
のんびりしたモモの村に、みんなを働かせてお金を与える黒い集団がやってくる(私意訳)
モモが、みんなとお話しをしにいっても「いま忙しい」と言われる。言ってる本人たちも目が三角になっている。
私は最近、いつもぼんやりしている。
1日フル回転で睡眠4時間だった頃もあったけど、その時の時間は貴重で、いまは貴重じゃないのだろうか。
空を眺めたり、カーテンが揺れるのを見てたり、光の移ろいをただぼんやりと享受していることは、時間のムダなのだろうか。
病院に行くバスの中から、駐車場脇に生えてゆらゆら揺れている草花を見た。駐車場の柵は、緑に塗られた金網の付け根のペンキがはげて、鉄サビが、台座の崩れたコンクリートに混じっていい風合いを出している。
私はそこをじっと眺める。子どもの頃から、道ばたに座り込んで、雑草の根元だとか、石とか、錆びているものとか見ているとあきない。私の眼は、見たいところしか見ないということが得意なのだ。
こういう時、私は「夢中」になっている。感動しているし、満足している。
人からみたら、無駄な時間だろう。
でも、私にはそう思えない。
病院から帰るバスの中から、バス停で止まったバスの脇に街路樹が見えた。強い陽射しを受けた木の幹と葉の影に「崇高さ」を感じる。
「崇高さ」とはリオタールによれば、、
何だったろうか(笑)
帰りがけに図書館に寄り、哲学辞典で「リオタール」の項をみるが「崇高」のことは書いてなく、、
「大辞典」とはいえ、すべてを網羅することができないことはわかっているが、リオタールといえば「ポストモダン」とくるならば、「崇高」のことも取り上げろよと舌打ち(実際にはしてない)。
病院に出かけようと家を出た時、「おみやげ」のことを考えていた。誰かに会う時に持っていくものについてだ。
「あの人にこれをあげたいな」というものでなく、「あの人はこういうことにうるさいから、何か持っていかなきゃ」っていうほうのもの。
そう考えると「こういうことにうるさい人」の方が「うるさくない人」に比べて、イヤイヤでもお土産をもらっている分、得してるのだろうか。
気のあう友人・知人なら、ただ会うだけで充分楽しいと思うのだけど、おみやげがあれば、さらに嬉しいであろうことはわかる。だから、誰かに会う時は、かならずお土産を買うというひともいるだろう。
この場合、この人はこんな感じ?
1.おみやげを買う行為が楽しい
1-2.おみやげを持ってくとみんなが喜んでくれるのが嬉しい
1-3.おみやげを持っていくキチンとした自分が好き。人のことはどうでもいい
1-4.おみやげを持っていくべきだから持っていった。すべきことなので、嬉しくも何ともない。ただ義務を果たしただけ。
1-5.おみやげを持っていったけど、気にいったか、相手にどう思われているか気になる。
1-6.おみやげを持っていったけど、相手は持ってこなかったし、自分ヘンなことしちゃったかな。
そして、この人は
おみやげを持ってこない人のことは
2.何とも思わない
2-1.自分と対等の負担を担ってない、相手に怒りの感情を持つ
2-2.持ってこない人は「だからダメなんだ」と自分に優越感
考えているうちに、お土産はあるほうが嬉しいけど、なくても恨まないでほしいな、と思う。
そういえば、セネカのことを他の本で読んでいたら、誰かは毎日、葬式をあげていたと書いてあって笑う。
「彼は生きた」「彼は生きた」って。
私もやろうかな。
2016.5.12
