ブログネタ:野球とサッカーなら、どちらを観る?
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私は野球 派!
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僕の名前はテオドール・フォン・リュッケ。
士官学校を卒業して任官したばかりの、銀河帝国軍少尉だ。
そう、僕は名前からして一応、貴族だ。
・・・とは言え、爵位がある由緒正しい家柄ではないし、勿論、帝国騎士<ライヒスリッター>でもない。
いわゆる“名のみ”の貴族の家柄なので、平民と殆ど変わらない生活を送っている。
だけど、姓の前にに『フォン』の称号がある限り、腐っても鯛・・・もとい、腐っても貴族って事だ。
ある日、僕は、ケンプ中将閣下に突然声を掛けられた。
「卿は・・・由緒ある家柄なのか?」
そう聞かれて、僕は慌てて、ブンブンブンと大きく首を振った。
「と・・・とんでもありません。小官ごときが『由緒ある』などと言ったら、門閥貴族の方々は黙ってはいないでしょう」
僕の答えが面白かったのか、閣下は「いきなり門閥貴族とは・・・面白い事を言うヤツだな」と苦笑を浮かべられた。
「確かに門閥貴族は黙っていない・・・か。それはまぁ・・・そうだろうな」
僕は一瞬、「・・・・・・・・・?・・・・・・・・・」となってしまったのだが、別に深い意味は無いようだった。
閣下の幕僚は、非常に珍しい事なのだが、僕以外の将兵が平民出身なのだ。
実を言うと、これはかなり珍しい。
閣下自身は平民で、麾下の参謀や指揮官達も平民だが、貴族の中にも僕のように、爵位の無い者も結構いて、どの艦隊にも多少の『貴族』はいる。
だが、ケンプ艦隊には、今まで1人もいなかったのだそうで。
閣下が意図した訳ではないが、偶然、そういう事になっていたらしい。
だから、貴族の称号である『フォン』を持つのは僕だけで、今のところかなり目立っているのだ・・・そりゃぁ、たった1人となれば、異色だよな。
「爵位はないのだな?」
「はい、ありません。帝国騎士<ライヒス・リッター>でもありませんし。ただ、『フォン』の称号が付いているだけです。あの・・・。小官が思うに、小官の姓はリュッケですが、こんな短い姓の貴族なんてろくなモノじゃありません。それに・・・名前もテオドールと、とてもありきたりですし。小官にすれば、ミドルネームまでおありになる、閣下のお名前の方がよほど立派に思えるのですが・・・」
僕がこんな事を言い出すのが意外だったのか、閣下は目を丸くされた。
「卿は・・・本当に面白い事を言うのだな」
さも愉快そうに笑われた。
「しかし・・・卿は立派だと言うが、俺の名前はそんなに立派なものじゃないぞ。だいたい・・・。そうだ、俺の名前の由来を当ててみろ。言っておくが、姓ではなくてミドルネームの方だ」
急に言われて、僕は戸惑った。
「閣下のお名前の『グスタフ』ですか?そう言えば、『カール・グスタフ』という名前の作家がいますよね」
「・・・ん?」
「確か10年ほど前に92歳で亡くなられた作家ですが。確か・・・92歳で亡くなられたと思います。小学生の頃、『グスタフという性は名前みたいだ』と、父に言った事があります。小官の父はその作家のファンなのです。実家に何冊も本がありまして、小官も士官学校に行っている頃に、難しいな・・・と思いながら『ダンカの墓』や、『シュレーダーの箱庭』は読んだ事があります。『ダンカの墓』の闇に青く光る蝶が実に幻想的で好きなのですが・・・」
僕が矢継ぎ早に言った為か、閣下は不意を食らったように目を白黒させ、僕の顔を穴が空くほどジッと見た。
そして閣下は急に大爆笑。
僕は何が起こったのかサッパリ分らず、途方に暮れてしまった。
「こんなにあっさり当たるとは思っていなかった。卿の父上が作家のファンか。なるほど・・・そうか・・・」
閣下は笑い過ぎた為か、涙が出てしまったらしい。
指で目頭を押さえられている。
「実はな、あの作者だが、俺の祖父さんでな・・・」
「ええっ!?ほ・・・本当なんですかっ!?」
意外な展開に僕はビックリしていた。
あの高名な作家が閣下の祖父とは・・・なんとまぁ、世間は狭いのだろう。
「あぁ・・・本当だ。俺のお袋は1人娘だったんだ。祖父さんは筋金入りの軍人嫌いで、俺の親父・・・カール・フェルナンド・ケンプと娘の結婚を猛反対したらしいんだ。まぁ、お袋もかなり勝ち気な性格をしていたから、それなら駆け落ちするだの、未婚の母になってやるだのと、それこそ、近所に響くほどの大声で喚いたらしくてなぁ。祖父さんも娘には甘かったから、条件を出して譲歩する事にしたと言う訳だ。因みに爺さんの本名は、カール・イザーク・フランツ・グスタフという名前だ」
「・・・条件ですか?」
「そう、もしも2人の間に息子が生まれたら、その子の名前の中に、『カール・グスタフ』の名前を付けるって事を約束させたんだ。・・・しかも、何かにつけて慎重だった祖父さんは、約束を違えられたら困るからと、ご丁寧に公文書まで作成してな。その為の弁護士も雇ったらしいのだ。全くもって用意周到だ。やる事がな・・・」
「す・・・凄いですね・・・」
「つまり、俺のミドルネームになっている『グスタフ』ってのは、お袋の旧姓なんだな、これが・・・」
「はぁ・・・」
「しかも・・・だ。シッカリと遺言まで作っていて、孫である俺に子供が生まれた場合、それがもし男児だったら、その子にも、『イザーク』と『フランツ』を入れる事・・・と書き記していた。よほど、自分の名前が消える事に抵抗があったんだな。曾孫の事にまで口を出すとはな」
「あ・・・遺言と言う事は・・・」
「そう。だから俺の長男はグスタフ・イザークと言うんだ。で、次男がカール・フランツだ。あぁいう遺言があると、強いられた事でも良い名に思えてくるから不思議なもんだな。親父やお袋は、この遺言には呆れていたみたいだが、俺は、祖父さんへの孝行だと思ってな・・・」
・・・僕は閣下の意外な一面を見た気がした。
お祖父さんの遺言通りに息子達・・・つまり、作家の「カール・グスタフ」にとっての曾孫達に、「グスタフ」と「フランツ」の名付けた閣下は、もしかしたら、凄~く家族思いなんじゃないだろうか・・・。
遺言なんて、金が絡まないモノなら、そこらに、うっちゃっても良いんじゃないのか?と、僕なんかは思うのだけど、ちゃんと守っているなんて凄い事。
僕の父は、作家、「カール・グスタフ」の大ファンだったから、今度帰省する時は、これを土産話にしようと思った。
翌日、この話を僕の士官学校の一期先輩で、旗艦「ヨーツンハイム」の砲術士官をしているヴィーゼ中尉に話してみた。
因みに僕も旗艦勤務だ。
「ふーん、そうなんだ。知らなかったな」
そう言って驚いていたが、「それにしても、閣下と普通に・・・そういう話をしているお前も凄いよ」と言っていた。
「確かに・・・。ペーペーの僕に声を掛けて下さるなんてビックリしました。それにしても、遺言を守られるなんて、閣下は家族思いなんですね」
「あぁ、そうだよ。閣下はあれで凄く愛妻家なんだ。前に参謀長閣下から聞いたんだけど、閣下は奥さんの実家に毎月のように仕送りをしていて、それを一度も欠かした事がないそうだ」
「・・・毎月の仕送り・・・それは凄いですね」
自分の親にだって仕送りするのは面倒くさい。
それを奥さんの実家にしていて、しかも一度も欠かした事がないなんて・・・。
それは確かに凄い愛妻家かもしれないな。
噂では、ミッターマイヤー中将もかなりの愛妻家だと聞いた事があるけど、どうして、うちの閣下も凄い人じゃないか・・・。
「名前というのは不思議なもので、俺も、昔・・・自分の名前の由来を親から聞いた時は度肝を抜いたよ。・・・親父の神経を疑ったくらいだからな」
「・・・・・・・・・?・・・・・・・・・」
僕は話が見えなくて、これまた戸惑っていた。
「何だ・・・訳が分らないって顔をしてるな」
「えっと・・・。ヴィーゼ中尉の名前は、確か、マクシミリアンだったですよね。それのどこがヘンなのですか?」
「あのな・・・名前自体はどうでもいいんだ。その由来が凄いんだよ、由来が。俺が生まれる直前に、俺の親父は自宅であるTV番組を見ていたんだそうだ。既に生まれるのが男だって知っていたから、名前を考えながら見ていたという訳だ。・・・それで、そのTVでやっていたのがドラマで、『晴眼帝』ってタイトルだったらしい。・・・それにあやかって名付けた訳だ」
「『晴眼帝』ですか・・・。えっと・・・それって、第23代皇帝のマクシミリアン・ヨーゼフ2世陛下ですよね」
僕は呆然としてしまった。
帝国の臣民なら、子供の内から頭に叩き込まれる歴代皇帝の御名だ!
第23代皇帝のマクシミリアン・ヨーゼフ2世陛下。
第20代皇帝、フリードリヒ3世陛下の御次男で、皇后ジークリンデは元侍女だったそうだ。
彼自身も母親が下級貴族の出身で、その身分が低かった為に帝位からは遠いところにおられた。
だが、第22代皇帝、フリードリヒ3世の没後の混乱を収拾した、名君の誉れ高い皇帝だ。
政治事情の為に即位したと言われているが、周囲に優れた閣僚が多数おり、その助けもあって政治手腕を発揮された皇帝なのだ。
何でも帝位に就いた後、毒殺されかかって両目を失明されるほどの、命の危険にさらされたにもかかわらず、民衆の為に尽くして下さった皇帝で、歴代皇帝の中では平民に一番人気なのだ。
皇帝自身が失明されて身体障害者となった為、「劣性遺伝子排除法」を有名無実化した事も、民衆の支持を受ける所以だった。
素晴らしい皇帝陛下なので、幾度も映画化やドラマ化されている。
小学校でも、この映画は必ず見るのだ・・・。
歴史の勉強がが不得意だった僕だって、歴代皇帝の名は暗記している。
だから、『晴眼帝』のマクシミリアン・ヨーゼフ2世が、「第何代」か知っている。
「けどな、平民に『マクシミリアン晴眼帝』の名もないもんだ。さすがの親父も、恐れ多くて、ミドルネームの『ヨーゼフ』は付けなかったらしい。まぁ、そういう話を、社会秩序維持局辺りが聞いたら、即、不敬罪にだって問われかねないしさ」
「不敬罪・・・でも、凄いですね」
僕は苦笑しながら頷いた。
「だから、卿の名前にも、きっとちゃんと意味はあると思う。たとえ、ありきたりな名前であっても。聞いた事がないのなら今度聞いてみたらどうだ?親、ちゃんといるんだろう?・・・まぁ、俺みたいなのは特別なんだろうけど」
僕はもう一度頷いた。
・・・うん。
確かに中尉の言う通りだ。
僕は、今まで名前の由来を一度も聞いた事がない。
今度帰省したら、親父にそっと聞いてみようかな・・・いきなり聞いたら、親父は驚くかもしれないけど。
Das Ende
リュッケ少尉とケンプの交流話の第2弾です!
第1弾は・・・アムリッツァの時の事を描いた、「der rat」です。(ネズミの話ではないです)
今度はケンプの名前の謎に迫りました・・・え、全然、謎になってない?←そうだね・・・。
リュッケ君、閣下の美味しい話を引き出してくれる天才です。
マクシミリアン晴眼帝とか、マイナーへの道、まっしぐら!
因みに、マクシミリアン・ヨーゼフ2世は、外伝の「ダゴン星域会戦記」に登場しますが、本編に登場する皇帝ではないので、誰それ?って感じかな。
でも、歴代皇帝の中では民衆に人気があったので、やっぱり稀有な存在って感じで、私は好感を持ってます。
ダメダメなゴールデンバウム王朝が綿々と続いてこられたのも、時々、こういう突然変異的に、名君が生まれたお陰なのでしょうね・・・。
ヴィーゼ中尉はオリジナルですが、リュッケ君と組ませると最強です!
あ・・・作中に登場させた「ダンカの墓」や「シュレーダーの箱庭」ですが、これも私が勝手に考えたタイトルだったりします。
ダンカンじゃなくて、ダンカね。
・・・ダンカってのは、女の人の名前です・・・ドイツに多い名前なんです。
因みに「シュレーダーの箱庭」のシュレーダーは、ドイツのシュレーダー首相から拝借しました。(今は首相じゃないけど)
このにシュレーダーさんのフルネームを調べたら、ゲアハルト・フリッツ・クルト・シュレーダーだそうで、うーむ・・・長いかも!!
それから、ダンカって名前はどこから持ってきたかというと、「シンドラーのリスト」に出てきたユダヤ人の女の子の名前で・・・。(ユダヤ人と言ってもドイツ系だから・・・この本は、何度も読んだのでボロボロです・・・映画も映画館で6回ぐらいは見た)
確か、ダンカ・ドレスナーって名前でした。
ドレスナー・・・この名前を聞くと、私の場合はドレスナー銀行を思い出します。
ドイツ銀行、コメルツ銀行に並ぶ銀行で、因みにコメルツ銀行の傘下です。
昔ね、お仕事で、ドレスナーの投資信託を売ってましたので・・・アハハハハハ。
今回のタイトルの「君の名は・・・」は、大昔のドラマのタイトルをそのまま借用しちゃいました。
「あ、このタイトル・・・使えそう!」って。
↑ええ、私は単純なヤツなのです。
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