「向日葵の種とすみれの蕾」~初めての家出~3話
前回までのあらすじ・・・高校生のすみれが家出をしふらっと入った割烹でだめもとで仕事をさせてほしいとお願いし、雇ってもらえることに、しかし朝からそうじ調理場の手伝い、事務所の雑用、夜はスナックの手伝いと毎日大忙し。沢山の出会いや出来事と共に充実感を覚える・・・

ある日、女将さんに呼ばれ少しお願いがある・・・との事で今まで入ったことのないお店に隣接している女将さんと大将の居住空間へ連れて行かれた。家は別にあるがシーズンによってあまりにも忙しい時期はこちらで寝泊り、生活をするらしい。。そして仕事においては、きっちりしていてとても厳しい女将さん、忙しいというのが一番の要因だがプライベートの空間の掃除が全く行き届いていなかった。女将さんが「恥ずかしいねんけども、とてもこっちまで手が回らんくてね~、おおざっぱでいいから片付けといてくれる??」もちろん私は二つ返事で快く引き受けた・・・が、、正直奥まで入って唖然としてしまった。
なぜって??・・・とてもじゃないけど一ヶ月、二ヶ月・・・半年・・いや、一年やそこらの汚れ方、散らかり方ではなかった・・・。私「家きれいやん!!めっちゃきれいやん!!なんでここだけ汚いねん!!」と一人つっこみ。。5分ほど周りを見渡していました。しかし今頼れるのは自分自身と掃除道具のみ。ということで段取りを考えながら足を踏み入れ、棚から2枚の手ぬぐいを探し出し、一枚は口に、もう一枚は頭からほおかぶり。靴下を脱いでポケットに入れ、裾はひざ上まで織り上げ気合を入れていざ戦闘開始!!まず玄関、ベランダのものを全て外に出して水を流し砂埃を全てカキ出し竿や窓に布団類を干す。その感3回ものにつまずいてこける・・・エアコンのフィルターを外して洗い、干す。床に散乱しているものを仕分け、入る分だけ洗濯機に、スイッチオン。そしてベッドをどけて掃除機をかけて拭き上げ。途中で半開きになったトイレを発見。これは開けてはいけないと第六感が察知したためとりあえず知らないふり。ごみを仕分けて、使っていない服は全てたたみだんだんと床本来の姿が見えてきた。。あらかた終わりが見えてきた所で先ほど知らないふりをしたトイレが気になってきた・・・ここまで来るとムキになっているのと、やはり毎日お世話になっている事が身にしみているので思い切ってドアを開けてみた。・・・・まあ、予想通り。。。よりちょっと汚いかな。。うん。大分きたない。。幸い掃除道具もそろっていたので息を止めて再び戦闘開始。磨く事15分。トイレの神様も喜んでくれそうなぐらい綺麗になった。ここまですればもう怖いものなし。結局丸一日で普通の家に生まれ変わった。
その夜、無口な大将がめずらしくしゃべりかけてきた。少ししゃべった後で「部屋、ありがとうな。」と少し照れくさそうに言われた。。
私はと言うと「掃除の仕方、普段からおばあちゃんに口うるさく言われて怒られてたけど、、役立ったな、、覚えてて良かった」と家のおばあちゃんの事を思い出していた。。

つづく。

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