見知らぬ人のの属性
駅のホームで行きかう人だかり。なるべく人にぶつからないよう、壁がある位置に陣取り、立っていた。すると、花柄のガウチョパンツをひらひらとさせたおばさんが私に向かってずんずんと歩いてきた。??と思っていると、「すみません」と声をかけられ、どいてくれというようなジェスチャーをした。私がよけると、おばさんは壁の取っ手に鍵を差し、ドアの中へと入っていった。何もないと思っていたので壁にドアがついていることにも気がつかなかったが、おばさんは従業員だったのか!という驚きを受けた。全く何も分からない見知らぬ人から、従業員という属性が分かったおばさん。売店の人だろうか、掃除の人だろうか、駅員なのか…と見知らぬ人の人生の一部を妄想するのが楽しい。社会で生きていく中で、数えきれないほどの属性が付くが、関係ある人でない限り、見た目からの情報以外で想定できるものはない。属性について私がかねてから気になっていることがある。それは、”結婚指輪”左手の薬指に指輪をつけてれば既婚。初対面の人であっても、一発で少なくとも妻・夫がいる(いた)ということがわかる何とも不思議なもの。未婚者で左手の薬指に指輪をフ ァッションとしてはめたい人、はめてる人っているんだろうか。「ご結婚されているんですね。」「いや、未婚です。これはファッションです。」の後には何とも言えない空気が漂うのは想像に容易い。左手の薬指になにもつけていない人には妄想はそれほどふくらまないのに、左手の薬指に指輪があるとふくらむ。どんな家庭なんだろう。どんな言葉をかけて家を出てきたんだろう。と考えてしまう。私は既婚だが、変な自意識が高いので、結婚指輪をつけられない。そもそもつけないと思っているので買ってすらいない。”あ、この人結婚してるんだ”という考えを他人に持ってほしくない。そして妄想してほしくない。頭の片隅では、そんな妄想する人はいないよ、そんなに気にしながらつけている人はいないよということもわかる。でも、「結婚している」という属性を他の人に誇示しているようで嫌なのだ。結婚は個人の自由だから、してもしなくてもいい。それぞれの選択。自由なこと。それもわかっている。でも、未婚者の人の”あ~結婚したいなぁ”などの愚痴を耳にすると、気にしてしまう。こんなにうじうじと考えている人より、あっけらかんと指輪をつけている人の方が素敵だということも頭では分かっているのにね…。