春奈が拾った手紙はとても悲しかった。

内容だけじゃなくて、相手に届かなかったコトがとても悲しかった。

こんなに彼氏のことを知っていたなら、なんで二人は別れたんだろう。

彼氏って誰のこと・・・?元カノって誰のこと・・・?

ちゃんと新しい彼女さんに手紙を届けたかった。

元カノさんの最後のお願いだったのに。



春奈は手紙をフォルダーにしまう。


次の日

「はっるなぁ~!」

「おはよ、ベイリー」

「ねぇねぇ、今週の金曜日ってヒマ?夕方から夜にかけてなんだけど・・」

「うーん・・多分?何で??」

「今年最初のフットボールゲームなの!一緒に行かない?」

「フットボール??」



フットボールはアメリカでは有名なスポーツだった。

高校のスポーツでもあって、皆が見に行くらしい。

「今回のゲームはうちらの学校でやるから変なところ行かなくていいしね??」

ベイリーが言うには最後のゲームは花火もあがって、すごく盛り上がるんだって。


「へー、楽しそうだね!」

「じゃ行くってことね?」

春奈は頭をうなずく。 せっかく誘われたんだしね。

「どうせだから他に誰か誘う?」

「そうだね・・ノアとか?」


ベイリーは急にテンションが下がる。

なんでノアの話になると、いつもこうなんだろう?


「あ!ってかね!ケンってフットボールチームだよ!?」

話をわざと変えてる・・。 ま、いっか。

「ケンのこと知ってるの??」

「去年知り合った友達。春奈とケンが学校の後いつも歩いてるも見たから、友達かなーって」

「うん、5時間目が一緒なの」

「そッ!じゃ、ケンの応援ってことでいいわね!それじゃ!」


ピィィィーーーーッッ♪


やばッ!!ベルが鳴っちゃった・・!!

春奈は急いでクラスへ駆けつける。



金曜日はベイリーと春奈でケンのゲームの応援。

ノアは・・・

新しい彼女さんへ


彼を大切にしてあげてください。

友達の前だと強がったりするけど、それはあなたの前でカッコつけたいからなの。

彼のつまらない冗談に笑ってあげて。彼はあなたの笑う姿が見たいの。

彼が手を出すときは、ちゃんとその手をにぎってあげてね。

他の女の子たちと話してることをよく見かけるかもしれないけど、安心して。

多分あなたの誕生プレゼントを何にしたらいいかアドバイスをもらってるだけだから。

最後に自分はすごくいい人を見つけてなぁ、って分かって。

私の中でも、一番いい彼氏だったから。


元カノより



ケンも自分で運転してここまで来たらしい。

どうやってそんな早く着いたのかと聞くと、4時間目がオフだかららしい・・。

ん??オフ??

そう、クラスの代わりに「オフ」を取っていいらしい・・・。その代わり、条件とかはあるけどね。

それよりも。

ランチは普通に楽しかった。春奈はまたノアの車に乗って学校まで3人とも帰る。

春奈はケンと一緒に5時間目のクラスへと向かい、ノアとは今日はバイバイ。



「あのさ、ちょっと気になること聞いていい?」

ケンが急に言い出す、なんだろう。

「なぁに??」

「俺といて、気まずい?」

なんでそんなことを聞くんだろう。

春奈はそんなこと思ったことはないのに。そう見えちゃうのかなぁ。

「そんなこと全然ないよ!何でそんなこと・・」

「いやだって、ノアとだと笑ったりしてんのに俺とだとシーンとしてるからさ」



そう考えれば・・確かにそうかも。

ノアはフレンドリーでオープンだから、そっちから話し変えてくれる。

冗談言ったりして、春奈を笑わせて、気楽に過ごせる。

でもケンはまじめでどっちかと言えば大人しいタイプだから。

お互い黙りこんで、何を言っていいか分からなくなる。

ケンと一緒だと無理に話さなきゃいけない気がしちゃう。緊張しちゃう。

ケンはケンとして、いいところ持ってるし、嫌いじゃないし。

でも確かにそうだった。


「別に私、ケンのこと嫌いとかじゃないよ?だから大丈夫だよ」


「そっか」

それだけ。

クラス中でも、忙しいフリをして、今日はそれっきりだった。