【僕が僕じゃなかったら】



たまに考える。



あれは小4くらいの家庭科の授業。



精子と卵子が受精する神秘的な動画を見て、



単に奇跡という言葉が脳に響いた記憶。








僕が生まれる時、



一瞬でも隣の精子が「我こそは」と受精していたらと。



それは今の僕とは違う遺伝子として、僕ではなくなるのか?



じゃあその僕は何者かと。



僕であって僕ではないその存在に、僕はどう感じるのだろうか?感じることもできないのだろうか?




僕は何者であるという答えは出せるのだろうか?



そうやって一周考えて、「ああ、今の僕として生まれただけで奇跡的な出来事なんだな」と温かい感謝の念で包まれて完結する。



まさに、母最強説。



お母さん、お父さん、産んでくれてありがとう。





そんなことを思いながら、



僕が僕であるだけで素敵なことを認識して



僕が僕であることに愛と感謝を込めて



今の僕を生きるだけ。



本気で生き抜くだけ。