最近の幸せは、一杯のコーヒーである。
一つ 息を吹きかける。
コーヒーに息を吹きかけると、香りが跳ね返ってくる。
そのコーヒー豆の香りが、ここにない別の自然風景を想起させる。
一つ 口に含む。
口に含み、喉にすぐ潜らせない。そうすることによって、口の中鼻腔にのぼり、香りを楽しむことができる。コーヒーを味わい深く愉しむ手順を踏むことができる。
一つ 眼を閉じる。
視覚を塞ぎ、嗅覚を研ぎ澄ます。ここでまた香りを楽しむ。
一つ 眼を閉じたまま、味わう。
舌にコーヒーを流し、純粋に味覚で愉しむ。
一つ 眼を閉じたまま、喉に通す。
深呼吸するかのように鼻息を通しながら、さらりと喉を通す。
温かさが食道を通っていくのを感じる。
一つ 眼を開け、幸せを想起する。
一口分のコーヒーに感謝する。
すべてに共通するのは、香りを愉しむことである。
香りに幸せを感じることが、本当に嬉しいのである。
この快感を大切にしていたい。感謝を忘れずに愉しみ続けたい。