ご報告遅くなりましたが、
u-you.companyさん18th STAGE
『アルキミコ』
無事に終焉しました。
観に来てくださった皆さんはもちろん、
アルキミコに関わった皆さん全てに感謝致します。
本当にありがとうございました。
久々にブログを書こうと思います.•☆
今回出演したアルキミコは、
女性キャストだけで描く戦国時代(武田家滅亡から関ヶ原の戦い後まで)のお話。
武田信玄が組織していたとされる女性だけの忍びの集団
くノ一歩き巫女たちの生き様を、真田家を中心に描いた作品で、
私は真田信之の妻、小松姫をやらせて頂きました。
苦楽を共にしてきた仲良しな歩き巫女6人が真田家に支える所から話が始まるのですが、
秀吉が亡くなり政権争いのため真田家が2つに分裂することでアルキミコ達も2つに分かれ敵味方になることを余儀なくされ、
お互いの主君のために戦い合い散ってゆく。
そんな悲しいお話です。
誰のために、何のために戦うのか。
人が生きている意味、生きていく理由は何なのか。
守りたいものがあり、
そのために犠牲にしなければいけないことがある現実を、
どう受け止め消化していくのか。
そんなことを投げかけてくるお話でした。
ちょっとだけ話がそれるのですが。
そして私事なのですが。
そのアルキミコの稽古中に突然、
大好きな祖母が亡くなったんです。
突然の悲報に現実味がないまま夜行で名古屋へ帰りましたが、
冷たくなった祖母を見ても全然実感がわかず、
ほんの1.2時間で骨になってしまった祖母を見てようやく最初に思ったのは、
あぁなんてあっけないんだろう。
人の命ってなんて儚いものなんだろうということでした。
その次すぐに、もうこの世にいないんだという実感ととてつもない悲しみがぐわっと体中を襲って来て、
あぁ人1人の命ってなんて重く掛けがけのないものなんだろうと思ったのです。
あっという間の2日間を終えまた東京へ戻って来た時には、
ドラマや歌でよくある、
あの人が生きたかった今日、
あの人がもう見ることが出来ない未来を全身で感じたわけです。
大切に生きなくちゃと思いました。
答えなんて出ないくせに、
自分は何のために生きていて、何のために生きていくのかをとても考えました。
そして思いがけず出来た両親や姉甥っ子達との時間をすごく愛おしく思って、
改めて家族の大切さと偉大さと、「大好きさ」に気が付きました。
人が死ぬということを描いている作品はたくさんあります。
彼女や旦那さんが闘病して生き別れてしまうものや戦争ものの映画もそう。
人の命の重みをテーマにしてるものは溢れています。
刑事もののドラマではしょっちゅう誰かが殺されています。
今回のアルキミコもそうです。
それを観て悲しくなったり感動して泣いたり、
周りの人をもっと大切にしようと、生きていることに感謝しようと思うことも少なくないです。
ただそれを観る側から演じる側になり、
祖母の死を経験して思ったことは、
人の死を描くことって、
こんなに簡単に出来てしまうんだなということです。
台本に書かれていれば、書いてしまえばもうその作品の中では人が1人死んでしまうんですから。
(もちろん作者は苦渋の思いで執筆したのだと思うのですが。)
だからこそそれを表現する者は、
その、簡単に成立してしまっている死に、
ひたすらリアリティさをもって向き合い、
自分の心を引きちぎるくらいの思いで表現しなければいけないんだなと思いました。
だからこそ表現する者は、
どんな出来事も全身で味わって、
自分の血や肉に変えていかなければいけないのだなと思いました。
なんて過酷な業界を選んでしまったんだろうとつくづく思ったのは無理もないことです。
時は戦国時代のアルキミコ。
出てくる人々はみんな、
戦争や人の死、家族が争うことを身近に感じならも前向きに生きていた人々でした。
その中でも私が演じさせて頂いた女性、
どんなことがあっても強く、深い愛をもって信念を持って生きていた小松姫様には、とても支えられ、学ばせてもらっていたなと感じます。
そんなわけで、
この1ヶ月間は命の重みと儚さ、
家族の大切さ、生きている意味、
生きていく意味をよく考える1ヶ月でした。
そして表現することの難しさと苦しさを心の底から感じた1ヶ月でした。
初めて本番中苦しくて、
早く終わって欲しいと思って、
終わってものすごくホッとして、
堪えてたものが涙でたくさん溢れました。
多くの学びに感謝して、
この感謝を忘れないようにして、
これからまた誠心誠意、表現していきたいなと、
いかなければなと思いました。
アルキミコ。
苦しいけどものすごく良い作品でした。
またいつか再演出来ることを願って。
小松姫様に会えることを願って。
本当にありがとうございました。