路地裏で何度も生まれ変わりを望んだ悪童は、悪童にもなりきれず、変えられない現状を生きながら、ただひたすら光の指す方へと向かった。
ある日、悪童は誰もが気付かない神と出会う。今は神の面影も残ってはいないが、たしかに神だった者だ。
悪童はその神を師と仰ぎ、忠誠を誓った。そして忠誠を誓うことで力を与えられた。
悪童は神の下で開花され、悪童としての活躍を果たすことになる。
力を与えられた悪童は光に少し近づいた。
悪童として過ごしていく中、活躍はさらなる活躍を作り、少しばかり噂が広まる頃、悪童は美女に出会う。
悪童はすぐに恋に落ちた。そしてその女を手に入れたいと願うようになる。
悪童は女に近づいた。だが手に入れることは不可能だった。それでも諦めない悪童に女は、一夜だけの幸せと引き換えに苦しむことになり、それでも過ごしたいというなら一夜だけ過ごそう。と言ってきた。
その苦しみは辛いものだからすすめることはできないがと言った女の忠告を無視し、悪童はその女にお願いした。
それはそれは幸せな一夜で悪童は永遠などないことさえ信じることをやめてしまった。
悪童なのに安らいだ心は自分の限界を越え、その力が傲慢にさせ、さらなる悪を生んだ。
その悪だけが行き場をなくすということも知らずに。
悪童の満たされた心は長くは続かず、一夜だけという約束を無視し、女に何度もお願いした。女は忠告したにも関わらず選んだのは悪童だと突き放し、二度はないと伝えた。
悪童はなぜ駄目なんだ!と怒りにも似た苦しみを経験する。
その時、傲慢になり生まれた悪が行き場を探し更なる力を欲し暴走を始めた。
力がないから手に入らない。力がほしい。
悪童は力の制御を失い、それでもただひたすら女に願った。
もう一度と。
望まないのに暴走する悪と、望むのに手に入らない女への気持ちで自分を失った悪童は、また路地裏に帰っていった。
何度も何度も、もう一度と願いながら。