日本のアニメ業界の問題点 ~その2~ | アニメ・プロデューサーZの極月日記(ごくげつにっき)

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またブログを放置してしまいました…(;^ω^)

今回は、業界の問題点の第2回目として、世界的にはもう輝きを失っている日本のアニメ業界のお話をしたいと思います。
かつては、日本のアニメは世界でも多くの作品を輸出していました。しかし、最近では世界で日本のアニメはほとんど相手にされないと聞きました。(海外番組販売の会社からです…(;^_^A)

その理由は、日本のアニメ作品の制作傾向が昔と大きく変わってしまってしまったからです。
昔は、今のようにオタクさん向けの作品ではなく、子供向けの作品が主流でした。ロボット物(マジンガーZや、ゲッターロボ、コンバトラーVと言った)や、スポーツ物(巨人の星、エースをねらえ、キャプテン翼とか)
その他には、魔女っ子ものや、ドラえもんや、アンパンマン…これほど多岐にわたりさまざまな子供向けアニメを作って来ました。

ところが、最近の日本のアニメは、サブカル・メインのオタクアニメばかりです。
本来、オタク向けのアニメは、主流だった子供向けアニメの隙間を埋めるためのアニメでした。こんなアニメをこれほど大量に制作しているのは、日本だけです!
どこの国が、落語家の話しをアニメで見たいと思うのでしょうか?最近では、アニメ化はしてはいけない作品までアニメ化している物が多いです。私の師匠でもある、小池一夫が「漫画には向いていても、映像には向いていない作品がある。メディアによって、向き不向きがあるので原作者は、その点を意識しなくてはいけない!」と言っておられました。
最近は、出版不況もあり出版社には良心も無くなり、何でもオファーがあれば映像化を認めているようです。これがクダラないアニメの大量制作の温床にもなっています。

世界的に言うと、アニメは本来・子供向けのメディアなのです。世界ではアニメはカートゥーン・アニメの事を言い、子供向けなのです。
これでお分かりになると思いますが、最近の日本アニメは、世界向けにはほとんど見向きもされない物ばかり制作しています。
ガラパゴス・アニメの典型的な例が、ガンダムです。この作品は、日本では絶大な人気を得続けていますが、世界ではどこも買ってくれません!世界的なフィルムマーケットでは、ガンダムは世界のバイヤー達から、「戦争物の特攻だろ?」と言われているそうです。
世界から必要とされているのは、夢や希望、努力や友情と言った子供たちに不可欠な内容を持つ、カートゥーン・アニメなのです

かつての日本には、タツノコ虫プロが良質なオリジナリティ溢れる子供向けアニメを作り続けていました。それがいつの頃からか、大きなお兄さんやお姉さん向けのアニメばかり作るような業界になってしまいました。それ故、もう大分前から、日本のアニメは世界から相手にされなくなっているのです。日本のアニメはクールとか言っているのは、世界の一部のオタクさんだけです。

大部分の世界のアニメ業界からは、日本のアニメは終わったと思われているはずです…特にメインの子供向けアニメに関しては…。
ビジネスにおいても、本来子供向けアニメと、オタク向けアニメでは、規模が全く違います。ハズブロマテルと言った玩具メーカーと日本のフィギュアメーカーの大きさを見比べれば一目瞭然でしょう。世界的にヒットするのは、かつてのポケモンのようなアニメなのです。

さらに世界でオタクアニメが相手にされなくなったのは、大手出版社の悪逆非道ぶりによる物もあります。(特にアメリカ市場において…)
カド何とかと言う出版社が、アメリカで自社原作のオタクアニメを、向こうのケーブルTV 局にタダ同然で提供すると言う暴挙に出たそうです。なぜそんな事をしたかと言うと、アニメをタダで見せて、その原作であるマンガを売ろうとしたようなんですが、アメリカは日本ほどマンガ文化が強くなく、マンガ(要は、出版物)が全く売れず、思惑は大外れ…残ったのは、オタクアニメは日本がタダでくれると言う先方の商習慣のみ…。このせいで、以後の日本のオタクアニメはアメリカでは全く売れなくなったと、海外番販の会社の方は嘆きながら、言っておられました。(その状況は、今も変わっていないようです…

このままでは、日本のアニメは10年以内に死滅する可能性が高いです。どこぞのフィギュアメーカーのお偉いさんが、アニメ制作会社は生かさず殺さずが良いとか言っていたとか、いないとか聞きましたが、このままなら間違いなく死にます。
打開策はあるんですが、誰か私にやらせてくれないですかねェ~~~

今回は、この位で…次回は、アニメ制作会社がなぜこんなにも、儲からなくなったのか、本来なら私の出身であるシンエイ動画のように、ビルが建っているアニメ制作会社がもっともっとあってもおかしくなかったのに、なぜ日本ではそうならなかったのかを、著作権を含めてお話ししたいと思います。…しかし、シンエイはなぜ自社ビルをすぐ、に塗るんでしょう…そうです、ドラえもんの色にしてしまうんですネ…困ったもんだ(^_^;)(^^ゞ