春の風は
しょうしょう荒っぽい
フーガのようで
その厳密な成分は
ちょっとずつ
顔つきや
体つきの
異なった少年たちで
たくさんの
ちっぽけな少年たちが
花びらをむしったり
枝をゆすったり
やっとこさ
這い出した
なんだかよくわからない虫を
ひっくりかえしたり
通奏低音は
ピュイピュイ鳴く
フルートだかリコーダーなんだか
仲間に入れて欲しくて
ピュイピュイ
へたくそな口笛を吹いてみる
「そんなにフーガを吹きたいのかい?」
とからかい舞う少年の顔は
きっとどこかで見たことのある
けどゼッタイ思い出せない
夢の中の自分の顔