母はもちろん、なんで私?なんでわたしがこんな病気にならなきゃいけないの?と最初は嘆いていました。

だけど、手術して、食べられなくなって、体力ないから抗がん剤とかも使えなくて、そうこうしてるうちに肝臓への転移もわかって。

その時にはもう自分はダメだろう
…と覚悟を決めてました。

ほんとは父や同居している兄に荷物の整理を頼みたかったけど、父は心の底から母が助かると信じてたから、だから荷物の整理をしたいから手伝ってくれ…と言ったら馬鹿なこと言うな、お前は大丈夫だから…って笑って言われたと。

でも、たぶん、私はダメだ。自分のことだから自分でわかる。動けなくなってからじゃ何も出来ない。服やらだけでもいい。なるべく後にこの家に続けて住むお嫁さんに迷惑かけたくない。頼めることはお嫁さんにももちろん頼むけど、服みたいな高価じゃないけど判断しづらいものは先にある程度減らして負担を減らしたい、まだ小さい子もいるのにあの子にやらせるのはかわいそうだ。だから、手伝ってくれ。

そう言われました。

わかったよー、じゃあやるぞー!と、なるべく明るく言うと、ホッとしてた。

実際には物の整理を生前に手伝うことは無かったんだけど、保険関係の書類はここ、印鑑や通帳はここ、ジュエリーはこの箱、着物はここ。亡くなったらこういう風に分けて、ということを伝えられ、死後その通りにしました。


そして、一番大事な頼まれ事は、遺影用の写真を一緒に選ぶことでした。