2013.07.13(SAT)-14(SUN)
東海高校総体 水球競技
くじ運悪く、相性のよくないチームと初戦で当たることになった。
練習試合では、8割方勝てずにいる相手。
6月の選手権では1勝1敗。
勝機は5分5分。
でも、ここで勝たなければ意味はない。
強い想いで挑んだ戦いだった。
1P、ボールを手にするも得点できず、逆に先制点を許し
そのまま連続3失点。
王子の動きが極端に固い。
マークは常に2人ほどついている。
地元の相手高校への声援は半端ない。
でも、そんなのは全然耳に入ってこない。
1Pも終盤になってやっと1点が返せた。
少しだけ動きもよくなってきた2P
相変わらずマークがきつく、シュートを打っても得点できない。
でも何とか1点差まで追い付く。
3Pになって、相手にも少し疲れが出たのか、
0点で押さえ逆転することができた。
そして最終ピリオド。
序盤で1点を決め2点差になった。
とたんに、ふと空気の流れが変わったのがわかった。
『やばい。』
時計を見ると、残り時間5分。
まだ5分もある!!
この5分でこの点差を守り切れるチームじゃない。
結局、嫌な予感は当たり、
その5分の間に同点に追いつかれ、残り30秒で逆転され、
取り返すことができないままにゲームセット。
予選敗退となった。
予選敗退は始めてじゃない。
高1のIHも予選敗退している。
あの時と、感じるものが全て違うのは、これが最後のIHだから、なんだろうか。
2年前の先輩たちも、こんな喪失感だったんだろうか。
これで、翌日、junjunさんの長男くんが所属するチームと当たることに。
創部5年めにして初東海ブロック予選出場。勢いのある長男くんチームと、
予選敗退を、どっぷり引きずっている王子チーム。
精一杯戦っているような、どこか抜けているような。
少しリードで試合を進めるも、最後に同点・逆転で、予選の時と同じ展開。
非常に不甲斐ない試合だった。
後日談。
2日目の試合終了後、junjunさんのご家族と食事に出かけ、
その最中、チームメイト母より、夕方集合とのメールが。
まあこれも嫌な予感。
行ってみると、やはり、
初日朝、王子ともうひとりが寝坊をして集合時間に遅れたそうで、
「これで良いのか」、というような。
「こんな状態では国体も無理」と。
つまりは、暗に「負けたのはあんたたちのせい」と。
試合で、全然シュートが決まらなかったことや、
きついマークを振り払えず泳ぎ回れなかったことを責められた方が、
まだマシというか。
大体、試合をするのは選手たちで、それを指揮するのが監督で。
負けたことをどうこう言うのは、監督を責めているのと同じ。
選手たちは、誰も、お互いを責めていないというのに。
ついでに私自身も「態度が悪い」と。
2日め、元日本代表のAKさんが来場された際、
王子を通じ、「お逢いしたい」と連絡が入ったものの、
渋滞にはまり遅くなってしまい、
王子の試合まで時間がなかった事もあり、慌てて挨拶に伺った。
それを、
自チームの監督に挨拶もせず、元代表に逢いに行くのはおかしいと。
慌てていて全く監督に気付かなかった私にも落ち度はあるけど。
約束がなければ、そんなミーハーなことはしない。
AKさんも「N監督ともお逢いしました」とおっしゃっていて
監督もAKさんの来場の目的はご存じで。
誰かのせいにしておきたい気持ちも、理解できないわけではないけど、
予選落ちすると、こんなことまで責められるんだ~・・・と。
苦笑、とは、まさにこのこと。
さらに後日、
また「王子のせいで負けた」と改めて責められる出来事があり、
その情報もいいかげんなもので、本気で腹立たしく思ったが、
あえて無視。
と同時に脱力。
「なんか、予選負けするのも無理のないことだったんだ。」
と、感じてしまった。
王子やチームメイトのみんなにも、申し訳ない気持ちでいっぱい。
何よりも応援の母たちが、一丸じゃなかった。
これでは、勝てるわけもない。
負けたのは母たちのせいだ。
みんな、ごめんね。
↑ 棚村克行選手 と 青柳さん ↑
この日の試合もビデオに撮り、後日blu-rayに落として皆に配ったが、
王子も私も、いちども見直していない。
たぶん誰も見ていないでしょう。
でもいつか笑って観られる日がくると思う。
ただ、後日
王子とその試合のことを話していたとき、
「4Pで“やばい”って瞬間あったよね」・・・と。
「まだ5分もある」と思ったことも一緒だった。
あの試合で、この感覚を得たのは、王子と私だけだったと思う。
(「たられば」だけれど、仮にもし、チーム全員がこの感覚を得ていたら、
あの試合は2点差を守りきれていただろうな。)
王子は、「やっぱわかったんだ~」と笑ってくれたが、
一緒の感覚を得たことで、
私も彼らと一緒にあの試合を戦えた気がして、嬉しかった。
さらにその後、ポツポツと試合のことを話してくれた王子。
もちろん勝つつもりで臨んだ試合だけれど、勝てるかどうかは本当に五分五分だったこと。
相手側の大声援は全然気にならなかったこと。
いままでの数ある試合の中でいちばん緊張していたこと。
緊張で寝付けず、変な夢ばかり見て眠りが浅かったこと。
ガチガチのマークは全然気にならなかったが、緊張で思うように動けなかったこと。
上のふたつは同じように感じていたけれど、
そんなに緊張していたとは、思いもよらなかった。
幸いにも1年からスタメンで起用してもらって、IH予選も3回目。
1年のときのIHで超がつくほど緊張していたのを知ってるし
それ以外は「試合で緊張することはない」と言っていたので。。。
あの固さは、マークのせいじゃなく、緊張だったんだ。
「自分でもこんなに緊張するとは思ってなかった。
やっぱり最高学年の試合は違うんだって思った。」
「緊張」という、いい経験ができたとしておこう。
そしてもうひとつ判明した事実
2日目、静岡FS高校との試合
他のチームメイトはわからないが、王子はずい分と手を抜いたという。
「予選負けでやる気なくなった。」
と言う。
やけっぱちな気持ちでいたことは理解するが、
相手が誰であれ、どんな状況であれ、
「試合で手を抜く」ことは、相手に対し失礼極まりない。
それだけじゃない。自分の良心が痛まないのか。
こんないい加減な気持ちで試合をしていたなんて。
なんて情けない。
負けたことを人のせいにされた残念なことなんて、笑い飛ばせば済む。
予選負けだって、悔しいけれど、全力も出し切れなかったけれど、
精一杯戦ったと言い切れる。
しかし、全力で戦わなかったこの試合、非常に恥ずかしい。
私は今でも王子に云う。
「君の唯一の汚点だ。」
今でも思う。
予選負けしたことより、いい加減な態度で臨んだこの試合の方が
私は悔しい。
たとえ勝てていても。
王子のことだから、一生懸命やって、それでも負けてしまった、
「手を抜いた」はその言い訳かもしれない。
だとしても。
言い訳をすること自体が、恥ずかしい。
あえて、ここに記す。